2024/09/16前歯のインプラントは簡単な治療なのか?我々が単に難しくしているだけではないのか?
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大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋です。
今回も前歯のインプラント症例を紹介致します。
あくまでも1本の治療例を提示しているだけです。患者様個々によって治療結果は異なることをご了承ください。
私の症例集を毎回ご覧頂いている方からすると、インプラントって簡単な治療なんだって思われるかもしれませんが、術者は結構考えること多いので安易に思わないようにお願いします(^^)/
まずは↑の写真のビフォーアフターをどうぞ。
30代女性です。こどもの頃に前歯を打って変色していたが、そのまま今まで放置されていたそうです。
インプラント治療を希望して、当院のHPを見てインプラント治療を希望して来院されました。歯を抜かないといけないことは前医で説明を受けていらっしゃいました。
では概要をご説明致します。
この症例の難しいポイントは、唇側と遠心の骨が消失しているため、遠心乳頭が温存できるか?です。
まずはデジタル診断を行います。既存骨が根尖部にしかないため、初期固定を得ることができるのか?
いつものように、サージカルガイドと仮歯を用意しておき、オペに臨みます。
オペ当日、根尖部が結構腫れています。
まずは歯を抜歯して徹底的に感染源を掻破します。
抜歯した後の写真を見てもらうと、骨の裏打ちがなく、頼りない事がわかりますね。
サージカルガイド通りに、予定通りの位置にインプラントを埋め込みます。
抜歯した歯をみると、完全に根尖部が吸収してしまっています。
その失った部分に骨補填材を移植し、さらに歯肉を移植して封鎖します。
この歯肉移植の技術を結合組織移植術(Connective Tissue Graft)と呼び、歯肉で骨補填材が漏れないように封鎖しつつ、歯肉の増大を図るテクニックです。
特に今回は遠心側の骨補填材の漏出を抑制しないといけません。
歯肉が薄いので、リグロスを併用しています。歯肉移植とリグロスの相性はばっちりです。
この状態で帰宅して頂けるので喜んで頂けます。
1週間後の状態。大変良い状態です。痛みも腫れもほとんどなかったとのことでした。
抜歯から4か月に上部構造を装着して終了です。この難症例にしては短い期間でフィニッシュできたと自負しています。
終了から6か月経過時の写真です。良い感じですね。めちゃくちゃ綺麗な歯肉です。
こういう症例では、骨補填材の入れ方や歯肉移植の部位など、結構考えること多いのですよ。当たり前ですが、全て計算して手術をしています。これこそ経験。教科書には載っていません。
ビフォアーアフターです。
非常に満足して頂けました。
治療期間 4か月(抜歯から最終上部構造装着まで)
治療費 約55万円(税込 オペ、移植、上部構造など全ての費用が含まれております)
前歯のインプラントは、あらゆる技術を結集させる必要があります。
特に抜歯即時埋入が必須と言えます。
歯科医師によっては、このような症例をリッジプリザベーションして、そのあとフラップ開けて骨造成してって・・・どんだけオペするのか?っていうぐらい、こねくり回す方がいらっしゃいます。
私の経験上、歯がある状態からスタートすると、ほとんどの場合この症例のように1回のオペで短期間で終われます!!
抜いてから来られる方多いのですが、とにかく、今ある歯を抜く前にご相談頂けると幸いです。
治療結果には個人差があることをご了承ください。
治療結果への過度は期待はお控え下さいますように、よろしくお願いいたします。
文責 寺嶋宏曜