2026/07/0591歳でもインプラントはできる?上下オールオン4症例
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「もう91歳だから、インプラントは無理ですよね。」
初診時、ご本人だけでなく、ご家族も大きな不安を抱えておられました。
今回ご紹介するのは、91歳女性の上下オールオン4症例です。
長年使用していた入れ歯が合わず、ほとんど食事ができない状態でした。
「好きなものを食べたい。」 とご本人。
「母に、もう一度おいしいものを食べさせてあげたい。」
その願いと同じくらい強かったのが、お嬢様の想いでした。
年齢だけでインプラントを諦める必要はありません
91歳という年齢だけを聞くと、「本当に手術できるの?」「高齢だから危険では?」と思われる方がほとんどです。
しかし、インプラント治療で最も重要なのは年齢ではなく全身状態です。
この患者様は91歳とご高齢でしたが、大きな全身疾患はなく、各種検査でも問題は認められませんでした。
ご本人、ご家族とも十分に相談した上で、安全に治療できると判断し、上下オールオン4を行いました。
歯科麻酔科医が全身管理を行う鎮静療法で、安全に手術を行いました
今回は静脈内鎮静法(セデーション)を併用しました。
鎮静療法とは、眠っているようなリラックスした状態で手術を受けられる麻酔方法です。
当院では麻酔科医が全身状態を管理し、血圧・脈拍・酸素飽和度・心電図などを常にモニタリングしながら安全に手術を行っています。
高齢の患者様ほど、身体的・精神的な負担を減らすことが重要です。
麻酔科医とも打合せを行い、麻酔量のコントロールを行いました。
安心して治療を受けていただける体制を整えています。
初診時(義歯なし)
初診時のお口の状態です。
残っている歯は数本のみで、多くは保存できない状態でした。
義歯を外すと、ほとんど噛めないことが分かります。
義歯装着時
義歯を装着していても、十分な咀嚼はできませんでした。
「入れ歯が痛い。」「外れやすい。」「食事が楽しくない。」
そんな毎日を送られていました。
初診時の顔貌・レントゲン
下顎の残存歯が目立つ状態。
レントゲンでも残存歯の保存は困難と判断しました。
デジタル診断
顔貌写真と口腔内データを重ね合わせ、治療後の歯並びや笑顔をシミュレーションしました。
患者様にも完成イメージをご確認いただいています。
上顎インプラント設計
CT画像を解析し、安全性を最優先にインプラント埋入位置を設計しました。
骨造成を最小限に抑えられる位置を選択しています。
下顎インプラント設計
下顎では神経との距離を十分に確認し、安全な埋入位置を決定しました。
デジタルシミュレーションを活用することで、精度の高い治療が可能になります。
サージカルガイド
設計した位置へ正確に埋入するため、サージカルガイドを製作しました。
デジタル技術によって、安全性と再現性を高めています。
手術前に製作した仮歯
手術当日に固定式の歯を装着できるよう、あらかじめ仮歯を製作しています。
歯がない期間を作らないことも、オールオン4の大きなメリットです。
手術当日
上下合わせて8本のインプラントを埋入しました。
手術時間は上下で約90分。
麻酔科医管理による鎮静療法を併用し、安全に全身状態を管理しながら手術を行いました。
その後、上下の仮歯を約75分で製作・装着し、その日のうちに固定式の歯でお帰りいただきました。
91歳とは思えないほど術後の回復も順調でした。
IPGによるデジタル印象
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インプラントが骨と結合した後は、IPG(Intraoral Photogeometry)を用いて高精度なデジタル印象採得を行いました。
従来のアナログ技術(粘度のような材料を用いた術式)ではなく、完全デジタルのため、患者負担が圧倒的に少なく、精密な補綴物製作が可能になります。
オペ3か月後
インプラントの安定を確認し、最終補綴物を装着しました。
咬み合わせや発音、清掃性まで細かく調整しています。
上部構造にはPMMA(高強度レジン)を使用しました。
通常、長期的な耐久性を重視する場合はジルコニアを選択することが多いですが、本症例では患者様のご年齢も考慮し、費用を抑えられるPMMAを選択しました。
PMMAはジルコニアと比較すると耐摩耗性や強度では劣りますが、適切なメインテナンスを行うことで十分使用可能な材料です。
患者様一人ひとりの年齢や全身状態、ご希望、ご予算まで含めて、最適な治療方法をご提案しています。
治療終了時
固定式の歯になり、口元の印象は大きく変わりました。
「食べられるようになった。」
その喜びが笑顔から伝わってきます。
治療前後比較
治療前後を比較すると、その変化は一目瞭然です。
見た目だけではありません。食べること。話すこと。笑うこと。
日常生活そのものが大きく変わりました。
笑顔の変化
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治療後は自然な笑顔で写真を撮らせてくださいました。
この笑顔を見るたびに、「歯科医師になって良かった」と感じます。
患者様の声
治療後、患者様からこのようなアンケートをいただきました。
「先生にお会いできて、とても安心感がありました。
思い切ってインプラント手術を受けて、本当に良かったです。
とても幸せです。
先生を信頼してお願いして本当に良かったです。
ありがとうございました。感謝いたします。」
91歳の患者様からいただいた「とても幸せです。」という言葉。
患者様が幸せになること。ご家族も笑顔になること。
そのお手伝いができたことを、私自身とても幸せに感じました。
高齢だからといって、治療を諦めないでください
「もう歳だから。」その一言で、おいしい食事を諦める必要はありません。
全身状態をしっかり評価し、安全に治療できると判断できれば、90歳を超えていてもインプラント治療は十分可能です。
食べる喜びは、何歳になっても人生を豊かにしてくれます。
同じようなお悩みをお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
治療期間
約3か月
治療費
約500万円(税込・症例当時)
本症例では患者様のご年齢やライフプラン、ご負担を考慮し、費用を抑えられるPMMA(高強度レジン)を選択しました。
患者様一人ひとりの年齢や全身状態、ご希望、ご予算まで含めて、最適な治療方法をご提案しています。
リスク・副作用
・疼痛
・腫脹
・出血
・感染
・創傷治癒遅延
・インプラント脱落
・神経損傷
・上顎洞炎
・仮歯の破損・脱離
・PMMA補綴物の摩耗・破折
・スクリューの緩み・破折
・インプラント周囲炎
・清掃不良による炎症
・静脈内鎮静法に伴う偶発症
・定期的なメインテナンスが必要