MRIに関して
日本口腔インプラント学会発刊「口腔インプラント治療指針2024」より引用、要約
MRI撮影は、現代の純チタン・チタン合金のインプラントであればまず問題ありません。
MRIは強力な磁場を発生させております。したがって磁性のものを持ち込むことができません。
過去に磁性アタッチメントやマグネット(磁石)を用いて入れ歯を固定するタイプのインプラントがありましたが、現代ではほとんど見かけなくなりました。 たまに高齢者の方がそのような入れ歯が入っている方がいらっしゃいますので、その方は入れ歯を外してからMRI室に入室してください。 またまずはかかりつけ医にご相談下さい。
一方、最新の小型マグネット使用型MRI 装置に入る際,強い痛みを訴えた事例が 2 例報告されているため、 MRIの種類によっては注意が必要であると思われます。
<MRIの診断に影響はでるのか?>
チタンは磁化率が小さい常磁性体であるため金属アーチファクトは少ないが,磁化率の影響を受けやすい拡散強調撮像法などでは強いアーチファクトを生じます.
今はほとんど用いられていない キーパーなど強磁性体が口腔内で使用されていると,金属アーチファクトが広範囲に及ぶ. そのため,診断の妨げとなる場合は,強磁性体部分の撤去が必要となるようです。
CTに関して
CT撮影に関しては、チタン製のインプラント周囲の画像はほんの少し乱れます(金属アーチファクトが生じます)が、画像診断に影響はほとんどでません。
少なくとも歯科治療においてインプラントを入れたからといって画像診断ができなくなることはほぼ無いと言えます。
一方、他の歯科用金属(クラウンなど)の場合、チタンと比較にならないぐらい画像が乱れます。 従ってインプラントよりも、口腔内の他の歯科用金属の方が問題となります。