Q抜歯即時埋入を提案されたのですが、リスク無いのでしょうか?
A抜歯即時埋入は歯を抜いて、開いている穴にインプラントをすぐに埋め込むことを指します。(分類的には数日以内に埋め込むことも抜歯即時埋入という)
これまで部位問わず1000本の抜歯即時埋入を行ってきた専門医として結論を述べると、リスクはかなり少ない治療だと感じております。
<抜歯即時埋入のリスク>
・抜く歯の感染が強い場合は、そもそも当日にインプラントを埋入できないかもしれない
・骨補填材を入れることが多いが、感染が強い場合に、骨補填材の一部に汚染が生じ、後ほど洗浄して一部を除去する必要がある(インプラントは問題無く定着して生存する)
このようなことが想定される場合は、予め多めに補填材を入れて、洗浄後のボリュームダウンを見越してオペを行います
・骨欠損が大きい場合に、インプラントの固定が取れないことがあり、その結果1か月後ぐらいに脱落することがある。(これまでの経験上、250本やって1本ぐらいの頻度)
もし脱落すれば1か月後ぐらいに再埋入しますので、問題ありません。治療期間が1.2カ月延びてしまうことだけが残念ですが。
<抜歯即時埋入のメリット>
・治療期間がほとんどの症例で2.5-3カ月という短い期間である
・オペが1回で済む(通常であれば抜歯⇒埋入手術と2回になる)
・インプラントと一緒に骨補填も行うため、骨や歯肉のボリュームがキープされやすい
・抜歯して生じた穴にインプラントを埋めるだけなので、部位によっては、通常の埋入よりも安全かつ短時間で行えることがある
・上顎臼歯部においては、サイナスリフトなどが不要になることが多い(これは素晴らしいメリットです)事実、サイナスリフトはほとんどしなくなりました。
結論:メリットがデメリットを大きく上回るので、歯があるのであればまずは抜歯即時埋入を検討すべきと思っております。
Dr寺嶋の技術を学びに全国から多数の歯科医師が訪れています。
<歯科医師の皆様へ>
ご自身の患者様をお連れして頂くと、寺嶋が解説しながらオペをさせて頂くことも行っております。
ぜひ抜歯即時埋入を習得して頂けると嬉しく思います。
(文責 寺嶋宏曜)