Botox ボトックス
食いしばり、歯ぎしりの弊害
大勢の患者様が、夜間に歯ぎしり、食いしばりをしています。(ブラキシズムと呼びます)
ブラキシズムのせいで、歯が摩耗、咬耗したり、破折したり(歯が折れてしまうこと)、つめものやかぶせものが脱落したり、頭痛、肩こりなどの全身的な症状を引き起こします。
マウスピース(ナイトガード)を入れて寝ることにより、歯が壊れることを防ぐことが可能な場合もありますが、それでも歯が折れたりする人もいます。マウスピース入れたら寝れない人もいます。
そのような方に適応されるのがボトックス注射です。
ボトックス注射とは
商品化されたボツリヌストキシンを咬筋や側頭筋に注射することで、咬合力が低下し、歯の保護に繋がります。
朝起きたときの顎に疲れや肩こりや軽減させることを目的としています。
ボトックス®というのは、アメリカのアラガン社の商標登録です。
歯科医院でボトックス®を使用することは法律上認められていないため、当院ではジェネリック薬として発売されている韓国製のHUTOXという商品を使用しています。
ボツリヌストキシン製剤の安全性
ボトックス注射は科学的根拠に基づいた治療であり、医科では保険適応されている安全な薬剤&治療法です。
顎関節症へのボトックス注射は1990年代から行われている確立された治療法の一つです。
ボツリヌストキシン製剤の効果
- 咬筋の萎縮
- 側頭筋の萎縮(側頭筋に注射した場合)
- 咬合力の低下
- 夜間の閉口筋の緊張緩和
- 咬筋萎縮により下顎角(いわゆるエラ)の縮小
- くいしばり・歯ぎしりによる歯の咬耗、破折の予防
- 3-12カ月で効果は弱まります
ボツリヌストキシン製剤の副作用
- 弾力のあるものが食べにくくなる 頻度30%
- 口腔乾燥 頻度 6.3%
- 7日以内に消失する内出血斑、血腫 頻度2.5%
発生頻度1%以下の稀な副作用
- 4日以内に消失する眩暈・頭痛
- 効果が全く感じられない
- 顔の左右非対称性
- 側頭筋肥大
- 頬のたるみや凹み
- 側頭窩の凹み
- 奇異収縮性隆起
- 神経麻痺
(Hsien-Li Peter Peng, Masseter Hypertrophy: Toxin Treatment Techniques, Causes of Complications, and Prevention 2018より引用)
注射する量
咬筋:片側20unit 両側40unit
側頭筋:片側20unit 両側40unit
治療費(2023年4月1日時点)
当院の患者様:両側30,000円(税込)
当院の患者様ではなく、ボトックス注射のみをご希望の方:36,000円(税込)
2名様同時注射割引
ご家族、ご友人と一緒に同日に2名が注射される場合は一人につき2,750円割引させて頂きます。
咬筋と側頭筋の同時注射割引
同日に咬筋と側頭筋に注射される場合は5,500円割引させて頂きます。