Teeth whitening ホームホワイトニングQ&A
ホームホワイトニングQ&A
どうして歯が白くなるの?
歯の漂白剤の成分は、過酸化水素あるいは過酸化尿素が主なものです。過酸化水素は漂白剤に光を当てる方法に使われ、過酸化尿素は家庭で漂白する方法に使われています。
歯が白くなるのは、歯の表面あるいは内部の着色物質を過酸化水素が酸化し分解しているからです。光を当てて漂白するのに使う過酸化水素は、無色の液体で、濃度は15~35%くらいのものを使います。傷口の消毒に使う「オキシフル」「オキシドール」は、2.5~3.5%の過酸化水素です。毒性はありませんが、高濃度の場合には、皮膚や粘膜につくと強い刺激があり、白くなります。
過酸化水素は、食品の漂白にも用いられています。最終的に完全に除去されるか、分解させることを条件に、食品に使用を許可されています。
家庭で漂白するのに使う過酸化尿素は、過酸化水素と尿素が結合したもので、歯に触れるとゆっくりと分解します。効果が比較的マイルドで、10%程度の過酸化尿素は、過酸化水素と尿素に分解します。過酸化水素が分解するとフリーラジカルが発生します。
このフリーラジカルが着色物質を酸化・分解し、色を見えなくするとされています。
ホームホワイトニングの安全性は?
ホームブリーチングに用いられる10%から15%の過酸化尿素はFDA(アメリカ合衆国食品医薬品局)により「口腔消毒剤」に分類されています。これはたとえば薬局で売られているオキシドールと同じです。
10%過酸化尿素は口の中の水分に触れると人体に安全な水と尿素と酸素に分解されます。さらに尿素は二酸化炭素とアンモニアに分解され、これらは体の正常な代謝経路で簡単に分解されます。
ただし、間違った使用をしたりすれば、問題が生ずることがありますので、歯科医師や歯科衛生士のきちんとした指導の上に行うことが重要です。
妊娠中・授乳中でもできますか?
欧米では、歯の漂白法は広く行われ、安全性にも問題はないとされていますが、臨床データでの患者の平均年齢は30歳台から40歳台となっています。漂白剤は、高濃度の35%のものでも10分の1に薄まると、消毒薬と同じ濃度になります。また誤って飲んでも、消化管内で有機物に触れると直ちに分解されます。
したがって、漂白剤が体内に蓄積されることはないとされています。さらに、一回の漂白に用いる分量はわずかなので、唾液と混じって飲んでしまっても問題はないとされていますが、妊娠のわかった人や、授乳中の人には行わないようにしています。
何歳でもできますか?
生えて時間が経っていない永久歯のエナメル質表面は、まだカルシウムの沈着状態が不完全なので、漂白剤の効果が強すぎる場合もあります。また、歯ぐきから歯の全体が出きっていないこともあります。
過酸化水素あるいは過酸化尿素を主な成分にした漂白剤で、歯の漂白をするのは20歳になってからとなります。
白くなるには、どれぐらいの期間がかかるのですか?
個人差がありますし、どこまで白くしたいかによって変わりますが、通常2週間くらいです。毎日1ヶ月続けても大丈夫ですが、ご自分の納得いくところで止めていただきます。
いつホワイトニングをすればいいの?
通常は夜、寝ている間に行います。寝ている間は、飲食や会話することもなく唾液も少ないため最適です。5時間くらいホワイトニングの薬剤の効果は持続します。
たいへん稀に、ホワイトニングで使うトレーをはめていると、眠れないという方もいます。その場合には、起きている時間に2、3時間だけ行っても効果はあります。
歯がしみてしまうことがありますか?
ホワイトニング中の不快症状として、歯がしみる、という方が数%いらっしゃいます。その場合には、ホワイトングを1日置きにしたり、ホワイトニングジェルの量を少なくして行うのが良いでしょう。
ただし、これらの症状は中断することにより、24時間以内に治ってしまいます。
歯肉が痛くなることがありますか?
ほとんどありませんが、トレーがぴったりしていないと、歯肉に傷ができたり、ジェルが歯肉に付着し、痛くなる可能性はあります。
はやく効果を出そうとして、ジェルの量はあまり多すぎないよう行って下さい。また、稀に喉が痛いという人がいますが、同じような理由からですので、注意して下さい。
ホワイトニング中にコーヒー紅茶を飲んでもいいの?
トレーをつけている時には、当然ですが、飲食、喫煙はしないで下さい。
トレーをはずして1時間ぐらいは喫煙、コーヒー、紅茶など着色するものは飲まないで下さい。
ホワイトニング直後は、歯のエナメル質は脱水症状を起こしています。そのため特に水分を吸収しやすく、着色物も吸収しやすい状態ですので、注意して下さい。
その他の時も、できれば着色物は避けた方が、賢明です。もしもコーヒーや紅茶を飲んだ時には、すぐに歯を磨いたり、うがいをよくして下さい。
差し歯も白くなりますか?
セラミック、プラスティックなど冠をかぶせたり、つめものをした部分は白くなりません。ホワイトニングで白くなるのは、あくまでも自分の歯の部分です。さし歯やつめものを白くするには、治療をしなおす必要があります。
歯ぎしりをするのですが大丈夫ですか?
ぎしりをする人の場合、トレーが傷みやすくなりますが、だいたいは大丈夫です。もしも、すぐにトレーに穴があいてしまうなどの問題が生じるようなら、歯科医師に相談してください。通常は、ゴムのように柔らかい材質でトレーを作りますが、厚めの固い材質のトレーを使用すれば大丈夫でしょう。
起きている時に、ホワイトニングするのも解決方法です。
色が後戻りするのはなぜですか?
せっかく漂白したのに、数年したら色が後戻りすることがあります。
色の後戻りの理由は、まず外来色素が再沈着していることがよく見られます。着色飲食物の摂取の制限とブラッシング方法の改善、そして半年に一度の歯のクリーニングにより、色素沈着は除去することができます。
しかし、歯の清掃を行っていても、漂白後1~3年間経過すると、色が徐々に戻ってくる現象がみられます。
この理由は、変色の原因が、歯の形成時期に取り込まれた薬剤の場合には、いったん分解した着色物質が再び結合する、あるいはまだ光に反応していなかった薬剤が発色するなどの理由が考えられています。
この場合には、タッチアップブリーチング(追加漂白)を行い、白さを取り戻すことができます。