Vital Pulp Therapy 歯の神経の保存治療
MTAによる歯の神経の保存治療
MTAによる歯の神経の保存治療とは、「vital pulp therapy」と呼ばれる治療法です。
MTAセメントと呼ばれるセメントを歯の神経に直接作用させることで、従来なら神経を除去しないといけないような症例でも、神経を残せるようになりました。
このVital Pulp Therapyの登場で、現代においては神経を取るという頻度はかなり減ってきました。
少なくとも、「症状はほとんど無いのに、虫歯が大きくて神経を取らないといけない」ということは、ほぼ無くなりつつあります。
MTAセメントやバイオセラミック材料は体の組織に適度な刺激を与え、悪くなってしまった部分を再生させる作用があります。現在世界で最も信頼性の高い歯の保存のための生体材料ですが、MTAセメント自体が高価な材料で、保険適応外の薬剤です。
MTAを用いたVital Pulp Therapyは2003年あたりから始まった治療であり、世界の歯内療法専門医のバイブルであるCohen's Pathways of the Pulp 11th Editionにも記載されているグローバルスタンダードな治療法です。ただし日本においては、国民の神経の重要性に対する認識が低い、術者の顕微鏡トレーニングが必要、MTAが保険適応外であることなどの理由で普及率はまだ高くありません。しかし、当院においては、治療内容をお伝えすると3人に2人が受けられます。歯の神経への理解が広まりつつあるのかもしれません。
寺嶋歯科医院では2016年からこのVital Pulp Therapyを行い、治療法を確立させております。
従来であれば神経を取っていたであろう症例で、神経を残せた時の患者様の喜びは大きいものがあり、私たちにとっても大きな遣り甲斐です。神経の保存は歯科医師にとって大きな浪漫なのです。
治療例
治療前
MTAの成分
- 二酸化ケイ素
- 酸化カルシウム
- 酸化アルミニウム
- 酸化第二鉄
- 石膏
- 酸化ビスマス(造影剤)
マイクロスコープを用いた精密診療
当院では、MTAを使用した神経保存療法に際して、マイクロスコープ下で精密かつ無菌的に行っております。
成功率
当院では2016年からこの治療を行っており高い成績があります。
何もしていなくてもズキズキするなどの症状がある場合は成功率は大きく下がります。
治療費
50,000円/1歯(税別)
保険適応の材料は使用しません。
今回の自費治療のMTA治療を行った場合、新しい詰め物や、かぶせ物に健康保険は効きません。
リスク
歯の状態によっては治療途中に神経保存を断念する場合があります。
神経保存が達成できずに、抜髄に至る場合があります
術後に痛みが発生する場合があります
保証
上記の治療を行ったのち、1年以内に神経にトラブルが生じた場合は、半額で「マイクロスコープを用いた精密根管治療」※をさせて頂きます。
但し、すでに自発痛がある場合など神経保存の成功率が低いことが予測される場合は、最初からマイクロスコープを用いた精密根管治療を提案することもあります。もしくは、根管治療に移行した際に全額頂くこともあります。(同意頂いてからの治療となりますのでご安心下さい)