2022/07/16<症例>前歯のインプラント~デジタル歯科を駆使した抜歯即時埋入即時荷重~
- 症例集
今回も前歯のインプラント治療をご紹介します。
前歯のインプラントは難しい!!って歯科医師の間でも良く話に上がります。
前歯のインプラント治療をパーフェクトに仕上げるには、歯肉や骨などの生体のこと、そしてインプラントメーカーのこと、被せものの形態のことなど、あらゆる知識そして技術が必要になります。
初診時の状態。右上の前歯がぐらぐらで、インプラント治療を希望して来院されました。ぐらぐらするので、隣の歯と接着剤で固定してありました。
CT撮影の結果、周囲に骨がほとんど無くなってしまっていることが分かります。残念ながら抜歯適応と診断しました。
前歯のインプラントは埋め込む位置が極めて大切なため術前にCTとデジタルスキャンを用いて、デジタルシミュレーションを行います。
手術前に、サージカルガイドとオペした日に装着する仮歯を用意しておきます。
抜歯した歯、歯にヒビが入ってました。
割れた状態で長期間隣の歯と固定してなんとか持たせていたため、周囲の歯肉が感染し、膿んでいました。そのため、歯肉のボリュームがかなり減ってしまっていました。
サージカルガイドを装着し、そのホールにドリルを入れていくだけです。サージカルガイドによって、適切な深さと位置にインプラントを埋入できます。
インプラントを所定の位置に埋め込み、失われ骨の欠損部分に骨補填材を入れました。
治療終了時の状態。その日に仮歯まで入るので、満足度がかなり高い治療です。ただし、力がかからないように、少し短い歯を入れています。
トータルオペ時間90分
歯肉を採った口蓋の状態はこのような感じです。
オペ1週間後とオペ後1.5か月の状態。歯肉の状態は美しく患者様は気にされてはいなかったのですが、プロから見ると歯肉のボリュームが足りていません。このままでも良いのですが、長期的な予後を考え、患者様にご相談の上で、追加の歯肉移植することにしました。(このような場合、追加のオペの費用は頂いておりません。)
2回目の歯肉移植の直後。
歯肉移植から1週間後と2か月後の状態。ボリュームが隣の天然歯と同じレベルにまで回復しました。
最終の上部構造を装着しました。どれがインプラントか分かりません! 上部構造を製作した技工士は小出氏です。
ビフォーアフターをご覧ください。
今回は前歯のインプラントをご紹介しました。
このように前歯インプラントには歯肉の移植など、アドバンスなテクニックを詰め込む必要があります。
ぜひ日本口腔インプラント学会専門医にお任せ下さい。