2023/06/24ガミースマイル手術とセラミック治療で治した1症例
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大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長です。
今回はガミースマイルに対して、手術とセラミック治療で対応した症例をご紹介いたします。
あくまでもこの症例は一つの臨床例です。参考までにご覧ください。
まずはビフォーアフターをご覧ください。
手術前の状況です。
歯茎が見えすぎていることと、前歯2本の変色が気になり、ご友人に紹介されて来院されました。
診断としては、垂直的上顎骨過大と歯の萌出不全。
上顎骨に関しては大がかりな美容整形のオペ(ルフォーⅠ型骨切り術)もしくは歯科矯正が必要ですが、歯の萌出不全に関しては、歯冠長延長術が適応です。
歯の長さを計測したところ、短いと診断。
このような時に用いる技術が「歯冠長延長術」「クラウンレングスニング」です。
このオペは、歯周組織に対するオペなので医科の美容外科ではできないオペであり、歯周組織の解剖に精通した歯科医師にしかできない美容のオペと言えます。
歯が骨に埋まり過ぎているために、歯肉が歯を覆っているという診断です(歯の萌出不全)
歯の周囲の骨をほんの少し削ります。
この骨を削るときには顕微鏡が必須です。歯を削らないように、骨だけを削るので繊細な技術が求められます。
しかし、我々歯周病専門医にとっては慣れた仕事の一つです。歯周病専門医は歯と歯肉と骨の調和を整えるプロフェッショナルです
この症例では所要時間は60分程度です。
手術直後の状態。出血もほとんどありません。
終わってから鏡を見て頂いた時の皆様の喜ばれている姿を拝見すると、私も本当にうれしくなります。
1週間後と2か月後の状態。術後の痛みも腫れもほとんどなく、痛み止めは一切服用しなかったとのことです。
歯のホワイトニングも行いました。
前歯2本を仮歯に変えて、歯肉の治りを待ったのち、2本のオールセラミッククラウンを製作しました。
オールセラミッククラウンを入れた時の写真。
ホワイトニングを継続したいということでしたので、少し白目のクラウンを装着しました。
まだ歯肉が凸凹していますが、私の経験上、2年ぐらい経つと綺麗に馴染みます。
一連の流れです。90分かけて来院される方のため、いかに無駄なく治療を行うかがキーポイントでした。
可能な限り早く治療を終わらせたいというご希望であったため、やや急ぎ足での治療でした。
今後もフォローアップしていきたいところですが、遠方の患者様なので、それだけが担当医としては心配です。是非来てくださいね!
<ガミースマイルでお悩みの患者様へ>
骨切りが必要と診断された方でも、まずは歯の大きさを長くするだけでも満足して頂ける場合があります。
美容外科では、上顎骨の過大や、唇の挙上量に関する治療法を提案されることが多いようです。
それに対する治療法としては、ルフォー骨切り、ボトックス注射や粘膜切開法(リップリポジショニングフラップ手術)などが提案されます。
しかし、歯が短いのであれば、まずは歯科医師の技術によって歯を長くしないといけないのです!
私の経験上、ガミースマイルでお悩みの方は、そもそも歯が短い方が多いのです!
従ってガミースマイルの場合、まずは歯科医院をご受診下さい。
もちろん骨切りや矯正じゃないと、治せないケースもありますので、まずは我々歯周病専門医の診断も受けてみてはいかがでしょうか?
<今回のまとめ>
歯冠長延長術のメリットとデメリット
メリット:歯のプロポーションを美しくすることができる。症例によってはガミースマイルをかなり治すことができる
デメリット:手術が必要(8本のオペで所要時間60分程度)、術後疼痛はほとんど出ない。
費用:8本のガミースマイルオペで20万円程度(このブログ投稿時において)
オールセラミッククラウン132000円×2本
希望者は静脈内鎮静(眠っている間にオペが終わる)+8万円
治療回数:①診査診断 ②オペ ③抜糸 ④フォローアップの最低4回はかかります