2025/04/30遠方の患者様の前歯のインプラント治療~和歌山からの患者様~
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大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋です。
4月からの新年度が始まりバタバタしており、「症例集」の更新が1か月も空いてしまいました。
今回も前歯のインプラント症例を紹介致します。
当院の年間350本以上の症例の中から、あくまでも1本の治療例を提示しているだけです。患者様個々によって治療結果は異なることをご了承ください。
まずは↑の写真のビフォーアフターをどうぞ。
和歌山県在住の42歳女性です。1時間半かけていらっしゃいました。
この症例では通院回数は、初診から最終までたったの5回でした。
子供の頃の外傷で、左上2番と3番が変色し、ぐらついており、近医で抜歯と診断されました。
当院のホームページをご覧になり、インプラント治療を希望して来院されました。
では概要をご説明致します。
この症例の難しいポイントは、遠方であること、アポイント回数を減らしつつ、何かあってもすぐに来院できたいため、腫れたり、術後出血が生じて不安を与えないようさせて頂く事でした。
そして、左上3番の周囲の骨が失われており、歯肉も退縮し、歯がすでに長くなってしまっていることです。
まずはCT診断です。左上2番は水平破折 左上3番は内部吸収と近心の垂直性骨吸収があります。
ではオペに入っていきます。
まずは歯を抜歯して徹底的に感染源を掻破し、インプラントを埋入します。
特殊なドリルを用いながら、骨を拡大しつつ、目標の位置にインプラントを埋め込みます。
今回はサージカルガイドを使用せずに、フリーハンドで私の経験にもとづいて埋入しました。
失われた骨の部分には、骨補填材を移植し、さらに歯肉を移植して封鎖します。
今回のオペで用いた骨の移植方法は、けっこうマニアックなため、学びたい歯科医師の方は、ぜひ私のセミナーをご受講くださいませ。
歯肉移植の技術を結合組織移植術(Connective Tissue Graft)と呼び、歯肉で骨補填材が漏れないように封鎖しつつ、歯肉の増大を図るテクニックです。
今回は抜歯前の状態で、かなり歯肉が下がっていたため、CTGは必須と考えております。
仮歯を入れて帰宅。オペ前よりもこの仮歯の状態の方が綺麗であるため満足して頂けます。(ただし1か月は短めな仮歯となります)
オペ終了時のエックス線写真。フリーハンドで埋入しているのですが、絶妙な位置に埋め込むことができております。
自然と歯肉退縮が改善するような位置に埋入しているのです!
1か月後の状態。大変良い状態です。
オペから2.5か月後に最終の上部構造の型取りをするために来院して頂きました。最高の歯肉の状態です。
かなり厚みがあり、防御力が高そうな歯肉です。
最終のジルコニアアバットメントとジルコニアクラウンを装着して終了。
オペから最終のクラウン入る前、たったの3か月弱です。歯が無い時期はもちろん0!!
周囲の骨の状態も安定してきております。
ビフォアーアフターです。術前よりも歯肉のラインも整い、非常に満足して頂けました。
遠方のため、地元の歯科での定期健診でも良いのですが、ご本人の希望により半年に1回当院で定期健診していくこととなりました。
嬉しいアンケート結果はこちら↓
治療期間 3か月(抜歯から最終上部構造装着まで)
治療費 55万円×2本(税込 オペ、移植、上部構造など全ての費用が含まれております)
リスク 術後の腫れ 痛み
前歯のインプラントは、あらゆる技術を結集させる必要があります。
特に抜歯即時埋入が必須と言えます。
私の経験上、歯がある状態からスタートすると、ほとんどの場合この症例のように1回のオペで終われます!!
抜いてから来られる方多いのですが、とにかく、今ある歯を抜く前にご相談頂けると幸いです。
治療結果には個人差があることをご了承ください。
治療結果への過度は期待はお控え下さいますように、よろしくお願いいたします。
文責 寺嶋宏曜