2022/07/17<症例>前歯に入っていたヒューマンブリッジを除去したケース
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箕面市の寺嶋歯科医院理事長の寺嶋です。
今回は、他院で入れた、「ヒューマンブリッジ」を除去した症例をご紹介致します。
途中で手術写真が出ますので、苦手な方は飛ばして下さい。
28歳女性。前歯を綺麗にしたいとのことで来院されました。
口を開けて笑うことができないと悩んでおられました。他院でヒューマンブリッジと呼ばれる接着性ブリッジを装着したけど、満足した結果が得られずに、担当医からはこれが限界と言われたそうです。
さらに見たらお分かり頂けるように、歯茎が沢山見えてしまう、ガミースマイルです。
ガミースマイルの方で、歯の長さが不揃いだと美しくなく、ご本人も大変悩まれておられました。
歯の長さも揃っていないし、歯肉は陥没しており、暗く見えます。
歯肉に傷跡がありますが、歯肉移植を2回も受けたそうです。
この結果では、単に傷が残っただけでほとんど歯肉は増えていないと思われます( ;∀;)
前歯を裏から見たらこんな感じで、ゴールドがキラキラしています。
金属を使用しているため審美的ではなく、これはとても気の毒な状態です。
歯の隙間からゴールドも見えるため人工的で、全然ヒューマンではないブリッジです( 一一)
少なくとも私の個人的な意見としては、前歯部にヒューマンブリッジを入れるのは、ダメだと思っています。
そこで患者様と相談し、これから紹介する治療法を行いました。
ジルコニアの接着性ブリッジ、インプラント、そして今回行ったジルコニアの通常ブリッジの3つの治療法を提示し、何度も患者様と協議を重ねた結果、通常のジルコニアブリッジを行うことになりました。
接着性ブリッジについてはこちらの記事をご覧ください。
歯を削ったところの写真です。
通常のブリッジでも寺嶋歯科では神経を残して、最小限の削る量で行いますのでご安心下さい。
このあたりの技術にはドクター一同自信を持っております。
歯肉が不足しております。そこで歯肉の移植も行うことにしました。
過去に歯肉移植術を受けているため、歯肉が瘢痕化して硬くなっているため難易度が高まります。
当院は歯周病専門医でもあり、このオペを専門的に行っております。
結合組織移植術と呼ばれるオペで、歯周外科処置の中では難易度が高めの手術の一つです。
さらにこの患者様は、ガミースマイルでもあったため、ガミースマイルのオペも同時に行っております(歯科医師がこの写真を見たら、よく考えられたオペだと言って下さいます)
オペ終了直後の状態。痛そうに見えますが、痛みはほとんど出ません。(痛み止めを1,2回服用したら十分なレベルのオペです)
オペ後2か月の状態。歯肉も膨らみ、艶もあり、大変綺麗な歯肉を作り上げることができました。
歯肉がパンパンに膨らんでおります。(少し過剰に膨らますことが良いことが豊富な経験から分かっております)
当院の技工士製作のジルコニアブリッジ
歯肉の形態はドクターと技工士で綿密に打ち合わせしております。
装着する瞬間の写真です。今から歯がない部分(ポンティックと呼ぶ)が歯肉に入り込んでいきます。
この形のことをオベイドポンティックと呼び、大変重要な形態です。
装着された状態の写真。どの歯が無いのかわからないぐらいです。
最終の状態。唇の上げ方のトレーニングをしていき終了です。
当院で治療を受けて本当に良かったと喜んで頂けて、歯科医師冥利に尽きます。
最後に術前をもう一度お見せします。
今回は接着性ブリッジ(ヒューマンブリッジ)を通常のブリッジに変更した珍しいケースではあります。
劇的ビフォアーアフター如何でしたでしょうか?