2022/10/20前歯の接着性ブリッジの症例 ~インプラントができない症例~
- 前歯のインプラント
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長です。
本日は前歯部の接着性ブリッジのケースをご紹介いたします。
一番飛び出ている歯の歯根破折で、他院で抜歯⇒インプラントと言われて、専門医を希望して当院に来院されました。
ご希望は、歯を極力削りたくない。治療期間を短くしたい とのことでした。
CT所見でも破折していて、周りの骨も無くなっていますので、残念ながら抜歯と診断しました。
歯列から歯が飛び出してしまっています。子供の頃の外傷によるものとのことです。
問題は歯の幅です。写真のように抜いた後に歯を入れる幅がめちゃくちゃ狭く、このままではインプラント治療は不可能です。
「矯正治療して幅を広げてからのインプラント治療」がファーストチョイスですが、時間的な制約があり、矯正治療は希望されませんでした。
そこで用いるのが接着性ブリッジ。このようなケースにはぴったりです。
まずは折れている歯を抜きます。そして、抜いた後に陥没するのを防ぐために、骨補填材を填入します。(所要時間20分)
隣の歯に仮歯を接着して帰って頂きます。
2か月後に、全体的な歯の長さを揃えるために、ガミースマイルサージェリー(歯冠長延長術、クラウンレングスニング)のオペを行いました。(所要時間20分)
接着性ブリッジとラミネートべニアの形を削ります。歯を傷めないように最小限の切削です。
治療終了時の写真。
「矯正治療もしたくない。歯も削りたくない」 という患者様のニーズにこたえることができました。
多少重なっていますが、フロスも通すことができ、許容範囲です。
狭いところに接着性ブリッジを駆使して、なんとか審美的な治療を終えることができました。
歯もほとんど削っていないことが分かると思います。
接着性ブリッジは、しっかりと症例を選んでいることもありますが、今まで壊れたことありません。
治療期間:3か月
総治療費:約55万円(手術と4本のセラミック)
おそらく都心の審美歯科行ったら、全て神経取って、4本のジルコニアブリッジになるでしょう。(考えただけでもゾッとしますね)
患者様にも満足して頂いて、私もとても嬉しいです。
文責:寺嶋宏曜