2023/04/20上顎のインプラント義歯
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大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋です。
本日はインプラント義歯、インプラントオーバーデンチャー、Implant Over Denture(IOD)の症例をご紹介致します。
このように上顎に4本のインプラントを入れて、総入れ歯を固定する治療方法です。
上顎の総入れ歯の場合に、インプラントを4本埋め込んで、ボタンを組み込み入れ歯を固定します。
レントゲン写真です。上顎にインプラントが4本入っているのがお分かり頂けます。
骨が沢山あるところを狙って、台形になるように埋入します。さらに4本を可能な限り平行に埋める必要があります。
これには匠の技が必要です。
下顎の場合は2本なのに、なぜ上顎は4本も必要??
上顎に2本だと成績が悪いことが分かっております。
可能な限り広い台形状に4本埋入することが、好成績につながることが文献的に証明されております。
それがエビデンスです。
そして、インプラントによって固定され、義歯が安定するということは、義歯の後方の一番不快な部分を無くすことができるのです。
↑の写真は、普通の入れ歯とインプラント義歯の比較です。
今回紹介した治療法は、入れ歯をインプラントの上に乗せるため、インプラントオーバーデンチャー、Implant overdenture インプラント義歯と呼ばれており、古くから行われている方法です。
↓ は嬉しいアンケート結果。
「食べる楽しみが戻ってきた」と仰って頂けて、歯科医師をしていて本当に良かったと思う瞬間です。
<上顎インプラント義歯のまとめ>
メリット
・高齢者でも可能
・入れ歯がパコパコ落ちてくることが無くなる(自分で取り外すときも結構固くて苦労する方がおられます)
・入れ歯の後方の不快な部分を無くせる
・費用が通常のインプラント治療に比べて安価 この症例では4本で110万円程度(2023年4月時点)
咬合力によっては強度が強い金属床義歯というものが必要です、その場合は+30万円となります
・清掃が簡単(入れ歯なので取り外して洗える)
デメリット
・咬合力が強い方には金属床義歯を用いないと、入れ歯がたわむことにより、4本のインプラントに負荷がかかり脱落するリスクがある
(金属床の場合、金額が高くなる)
・取り外し式の入れ歯であることには変わらないため、固定式を望まれるのであればALL ON 4 がお勧めです