2024/02/26前歯のインプラント~抜歯即時埋入と歯肉の移植、そしてトラブルリカバリー症例~
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大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋です。
今回も前歯のインプラント症例を紹介致します。
今回は歯科医師の皆様にもお伝えしたい内容となっております。
まずは↑の写真のビフォーアフターをどうぞ。
今回も治療前の感染が著しいため、難しい症例でした!
では概要をご説明致します。
67歳男性、前歯が腫れてきたとのことです。当院の昔からの患者様です。
術前の画像診断です。歯が完全に割れていました。いわゆる歯根破折です。残念ながら歯根破折を起こすと保存がほぼ不可能です。
このような症例は、歯肉が大きく晴れているため、そこには骨が無くなってしまってとり、こういうのは難しい症例となります。
相談の結果、インプラント治療をしていくことになりました。
患者様は、「前歯は美しく入って当たり前」と思われていますが、実際は一番難しいのです。
いつものように、サージカルガイドと仮歯を用意しておき、オペに臨みます。治療のプロトコールは私の中で十分に確立されたオペですので、どうぞご安心下さい。
こういう歯を抜いたら、歯肉は一気に吸収し、陥没してしまい、後でインプラントを埋めることが余計難しくなります。
そこで、歯を抜いた日にインプラントを埋め込む「抜歯即時埋入」が必須の症例と言えます。
まずは歯を抜歯して徹底的に感染源を掻破します。そしてサージカルガイドを用いて、インプラントを埋めるための穴を掘ります。
サージカルガイドを使用してインプラントを埋めこみ、さらに骨補填材を移植しました。
さらに薄い歯肉を治すために歯肉移植を行いました。
経験上、このような症例では歯肉移植も必須と思っております。
歯肉移植って聞いたらめちゃくちゃ怖いかもしれませんが、そこまで大変な手術ではありません。
上顎の口蓋部分から採取するだけです。
採る時間も5分程度です。
写真のように1週間ぐらいでかなり治ってきます。
ダウンタイムは1~2週間といったところです。
歯肉を移植し、仮歯を入れてオペ終了。かみ合わせがキツイため、あえて歯を短くしております。
オペ時間90分(麻酔、抜歯、インプラント埋入、歯肉移植、仮歯装着まで全ての過程を含む)
非常に喜んで頂けるオペです。
↑7日後の状態。腫れも痛みもほとんどなかったとのことです。
術前の感染してパンパンに腫れていた部分も消えています。
6か月後の治療終了時。綺麗にジルコニアクラウンが入りました。
実はこのようなSNSには載せることのできないインプラントの製品に起因するトラブルも生じましたが、歯肉が少し退縮したものの、インプラントの予後には関係しないようにリカバーしております。
しかしながら、そのトラブルはインプラント手術を数多く行っている私だからこそリカバリー出来たと自負していますし、顕微鏡治療を行っていなかったらそのトラブルの原因にも気づかなかったのではないかと思います。
我々歯科医師は、インプラントは精密な工業製品であり、その構造などにも意識を向ける必要があることを痛感した次第です。
そしてやっぱり前歯のインプラントは経験豊富な歯科医師がいるクリニックで受けるべきであることを痛感いたします。
前歯はトラブルをリカバリーできなければ、見た目に直結してしまい、大問題になってしまいます。トラブルが生じた時にこそ経験が大切になってきます。
このお話は、歯科医師の方であれば、寺嶋塾・抜歯即時埋入セミナー編で詳細をお伝えします。
もちろん、興味のある患者様においても、対面であればお伝えいたします。
術前と術後。美しい歯肉を作り上げることができました。
治療期間 6か月
治療費 約55万円(税込 オペ、移植、上部構造、症例のWEBでの使用割引-5万円含むなど全ての費用が含まれております)
前歯のインプラントは、あらゆる技術を結集させる必要があります。
特に抜歯即時埋入が必須と言えます。
とにかく、今ある歯を抜く前にご相談頂けると幸いです。