2024/05/01インプラントの総合治療~全ての歯がインプラントです~
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大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋です。
今日は治療期間2年かかった、従来型の全顎症例をご紹介致します。
今は、もっと治療方法が進化したため、現在では4カ月で終了する症例ですが、この当時はこの方法を行っておりました。
まずはビフォーアフターをどうぞ。
総義歯をしていたのですが、食べれない、外したときに歯が無い自分の顔を見るのが嫌とのことで来院されました。当時72歳の女性でした。
入れ歯を入れるとこのような状態↑
➀上顎両側サイナスリフトと上顎前歯部GBR同時埋入の3ブロックブリッジ
③下顎はショートインプラントを用いた3ブロックのブリッジ
を行いました。
↑両側サイナスリフト(マイクロスコープ下で、細長いウィンドウを形成しています) 所要時間は左右で90分程度。
↑上顎前歯部GBRして6本埋入 所要時間90分。
↑下顎は6本埋入。入っていた3本のインプラントは一緒に撤去しました。
下顎管までの距離がほとんどないため5㎜のショートインプラントを用いています。下顎管を損傷しないように、ピエゾで慎重に形成しました。
静脈内鎮静下で行いました。所要時間90分。(鎮静を入れると2時間)
↑上下の仮歯を入れた状態。ここまでで1年半かかっています。とても長い道のりでした。(・・;) 今ならここまで1日でできると思います。
↑仮歯を外した状態。上顎前歯部の抜歯即時埋入した部位や、骨造成をした部位の安定が分かります。
デジタルを駆使して、最終の上部構造を製作しました。
美しい歯肉を創り上げることができました。
フルジルコニアの上部構造。汚れもつきにくく大変美しいものです
治療終了時のレントゲン。ポイントは、オールオン4とかオールオン6とかと違って、3ブロックに分かれていることです。
これにより、万が一将来やり替えになった場合に、治療介入がしやすくなっております。
終了時の口元。大変気に入って頂いております。
バッカルコリドー(Buccal Corridor)を無くして欲しいという要望にも応えました。
術前と術後の比較写真。
<若手歯科医師向けのまとめ>
現在ではデジタルとワイドショートインプラントを駆使して、即日上下プロビを入れております。
それにより圧倒的に短期間で終わっています。おそらく頑張ったら4カ月で終了する症例です。
しかし、GBRやサイナスリフト等を駆使して、フルマウスを治療するという技術があるからこそ、そしてその技術を高めた結果、即時荷重があると思っております。
時代が進んだからといって、GBRやサイナスリフトが無くなるわけではありません。
基本的な技術を習得して次のステップに移って欲しいと願っております。