阪急梅田から20分 牧落駅・東口すぐ
駐車場12台完備

箕面市の寺嶋歯科医院 Tel.072-721-2562

受付時間 09:30~13:30 / 14:30~18:15
休診日日曜、祝日

News information お知らせ

お知らせ お知らせ

2025/05/02複数歯の歯肉退縮に対する根面被覆術~歯科医師向け~

大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長 寺嶋宏曜です。

今回は、多数歯の歯肉退縮への根面被覆術、結合組織移植術を紹介します。

Connective Tissue Graft(通称 CTG)を紹介致します。

たまに私の症例がインスタでバズっていると聞くことがあるので、ロゴを入れてみました。(ChatGPTさんがすぐに作ってくれました)

この症例も当院の数ある症例の一つの症例に過ぎません。全ての患者様に同じ結果が出るわけではなく、全ての患者様で結果は異なることをご了承ください。

スライド7.PNG

まずはビフォーアフターをご覧ください。同じ人とは思えないぐらい、パット見ても歯肉が増えていることが分かりますね。

スライド1.PNG

この患者様は45歳女性。歯肉が下がっていることを気にされて、いろいろな歯科を受診され、最終的に当院にお越しになられました。

最初から歯肉移植をして欲しいとのことでしたので、お話はスムーズに進みます。

今回は歯科医師向けに解説するので、一般の患者様は置き去りにさせて頂きます( ´艸`)

では手術の経過をみていきましょう。

スライド2.PNG

まずはドナーサイトの形成からですね。多数歯に及び、露出面積も多いため、このようなケースではトンネルテクニックでは不可能だと思います。

今回用いたCAFかVISTAが良いと思います。

歯間乳頭の上皮はノリシロとするため、除去しておきましょう。

上顎口蓋から歯肉を採取し、それを問題の部位に移植します。

スライド3.PNG

移植片を固定した後、フラップを歯冠側に引っ張り上げます。

頬粘膜を動かしても、フラップの断端が動かないようにガチガチに固定しましょう。

懸垂縫合を用いることで、ゼニスのところもしっかりとアダプテーションします。

さらに今回のオペでは、歯周組織再生療法の時に使用するリグロス®を用いてます。

成分が「線維芽細胞増殖因子」なので、このような歯肉移植にはとても効果が出やすい薬剤です。

塗布する場所や量がポイントです。(寺嶋ペリオ塾で受講生にはレクチャーしています)寺嶋ペリオ塾のブログはこちら!

セミナーでは臨床動画で解説するので、より理解が深まると評判です(←自分で言う)

スライド4.PNG

その後の経過です。リグロスを用いているため1週間後でもまだ赤く腫れている様子です(痛みはほとんどありません)。

除去できそうな糸から抜糸していきますが、全部を取るわけではありません。

3週間後にすべての糸を除去します。

さて、よく質問される、「採取した上顎口蓋」はどのように治るのでしょうか?スライド6.PNG

このような感じで、だいたい2-3週間で日常生活に戻れます。

この症例では、3週間かかりました。

スライド5.PNG

私は、術後1.3週間後にチェック、その後は4か月後と8か月後の定期健診時にチェックするようにしています。非常に良く治りましたね。

スライド7.PNG

歯肉退縮に対して、結合組織を移植して、根面を被覆する⇒根面被覆術 をご紹介致しました。

歯肉を増やして、防御力を高める。これはとても大切なことですね。

今回のオペ時間は麻酔も入れて75分程度でした。

結果が出て、執刀医として大変嬉しく思ってます。

<治療費>約20万円

<根面被覆術のメリット>

・歯肉退縮が改善する

・歯肉が分厚くなり、歯肉退縮しにくくなる

<根面被覆術のデメリット>

・技術が難しい(術者選びが大切)

・症例によっては、成功しないことがある、むしろ歯肉が下がってしまう場合がある(厚みは必ず増える)

・上顎口蓋のダウンタイムが2週間と長い

・極めて稀に口蓋から術後出血する場合がある

以上、文責は寺嶋宏曜でした。

© Terashima Dental Clinic