阪急梅田から20分 牧落駅・東口すぐ
駐車場12台完備

箕面市の寺嶋歯科医院 Tel.072-721-2562

受付時間 09:30~13:30 / 14:30~18:15
休診日日曜、祝日

News information お知らせ

お知らせ お知らせ

2025/08/24リグロス黎明期に行った歯周組織再生療法の長期経過症例(右下6番 分岐部病変Ⅱ度)

こんにちは、大阪府箕面市の寺嶋歯科医院、院長の寺嶋宏曜です。
私たち歯科医師の仕事には、歯を失ったときにインプラントで噛む力を回復させることもありますが、やはり一番大切なのは「できる限りご自身の歯を残すこと」だと考えています。

今回は、奥歯の歯周病が進んでいたケースに対して、歯ぐきや骨を再生させる治療を行い、7年以上たった今も健康な状態を保てている症例をご紹介します。スライド5.PNG


症例概要
39歳女性。右下6番に分岐部病変Ⅱ度を認めました。
ポケットは6mm、アタッチメントレベルも6mm、BOP++の状態で、三田市のA先生より再生療法の依頼をいただきました。スライド1.PNG


治療内容
2018年1月、リグロスと骨補填材(β-TCP)を併用した歯周組織再生療法を実施しました。
リグロスは厚生労働省に認可された薬剤であり、安全性が確立された治療法です。
本症例はリグロスが日本の歯科臨床に導入されて間もない時期に行ったもので、その後7年以上の良好な経過を確認できている貴重な長期症例となりました。

私個人としては、大学院時代にリグロスの基礎研究に携わっていたので、リグロスには思い入れがあります。


オペ中の工夫とポイントスライド2.PNG
顕微鏡下での徹底的な感染源除去
マイクロスコープを使用し、分岐部内部の歯石や炎症組織を完全に除去しました。肉眼では確認しづらい細部まで処置することで、再生環境を整えています。

リグロス+骨補填材(β-TCP)のミックスを填入
骨欠損部にはリグロスと骨補填材をミックスした材料を填入しました。骨補填材のスペースメイキング効果とリグロスの再生誘導効果を同時に活かせます。

懸垂縫合による完全閉鎖
懸垂縫合を用いて創部を安定的に閉鎖。これにより術後の感染リスクを最小限に抑え、良好な治癒を促しました。

所要時間は、約30分でした。


経過と結果
・手術直後〜1週間:腫れや感染もなく、安定した治癒過程を確認。その後A先生の元へ戻られ、この後、7年以上に渡るメインテナンスをして頂きました。スライド3.PNG
・7年7カ月後:A先生より経過写真をいただきました。スライド4.PNG
 - 歯肉の厚みがオペ前より増加
 - 骨レベルの改善をX線で確認
 - ポケットは6mm → 1mmへ改善
 - 歯肉退縮なし
 - アタッチメントゲイン5mm  (一般的な再生療法の平均値を大きく上回る成果であり、長期的に安定して維持されている点が非常に価値の高い所見です)

長期的に非常に良好な結果が得られました。スライド5.PNG


治療期間・費用
・治療回数:2回(オペ➡抜糸)
・費用(1歯):10〜20万円(税込)※部位や条件により変動


治療リスク
・再生療法が期待通りの結果にならない可能性
・術後の腫れ・痛み・出血
・喫煙や全身疾患による治癒遅延
・定期メインテナンスが行われない場合の再発リスク


院長コメント
私は、日本歯周病学会専門医であり、マイクロサージェリーを得意としています。
当院のHPの症例集は、インプラント治療の症例提示が多いのですが、私たちが常に第一に考えているのは「歯をできる限り保存すること」です。
今回の症例のように、適切な環境を整え、適切な薬剤を用いることで、歯を長期に守ることが可能になります。

今回の症例はリグロスが登場した黎明期に行った再生療法であり、7年以上の長期にわたり安定した結果が得られています。これは臨床的にも学術的にも大きな意味があると感じています。

患者様が「自分の歯で噛める幸せ」を少しでも長く味わっていただけるように、これからも丁寧な治療を心がけていきたいと思います。

また、何より私の技術を信じて大切な患者様をご紹介下さったA先生、本当にありがとうございました。

寺嶋宏曜


© Terashima Dental Clinic