2025/08/27右上6番分岐部病変Ⅱ度に対するリグロスを用いた歯周再生療法 5年経過症例
- 症例集
こんにちは。大阪府箕面市の寺嶋歯科医院、院長の寺嶋宏曜です。
今回ご紹介するのは、55歳の女性の患者さまです。
「奥歯の歯ぐきから匂いがする」とのことで来院されました。
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診察してみると、右上の奥歯(6番)に深い歯周ポケット7㎜があり、レントゲンでは骨が溶けてしまっている状態が確認されました。
さらに根の分かれ目(分岐部)にも病変が進んでおり、このままでは歯を失ってしまうリスクが高い状況でした。
「なんとか歯を残したい」という患者さまの思いに応えるために選択したのが、リグロスを用いた歯周再生療法でした。
治療の流れ
手術は顕微鏡を用いた低侵襲マイクロサージェリーで行いました。
歯ぐきを大きく開かずに、できるだけ負担の少ない方法でアプローチします。![]()
まずは、感染源を徹底的に除去。
その後、厚生労働省に認可された歯周組織再生薬剤であるリグロスを患部に塗布し、縫合して終了。
患者さん向けに:リグロスとは?
リグロスは、日本で開発され厚生労働省の認可を受けている「歯周組織再生用の薬」です。
歯周病で失われてしまった「歯を支える骨」や「歯ぐきの組織」の再生をサポートする役割があります。
手術中に患部に塗布することで、体が持つ修復力を引き出し、歯を支える組織が回復しやすい環境を整えます。
全国の歯科医院や大学病院でも広く使用されており、安全性が確認された薬です。
術後の経過
手術直後はリグロスの作用で一時的に赤みが強く出ましたが、経過はとても順調でした。
そして5年3カ月が経った今、多少歯肉退縮したものの、奥歯の歯ぐきは健康な状態を取り戻し、失われていた骨もしっかりと回復しています。
アタッチメントゲインは4mmを獲得し、分岐部病変や垂直性骨欠損も大きく改善しました。
「歯の周囲の骨が増えたことはとても嬉しい」と患者さまから笑顔で言っていただけたことは、執刀医の私にとっても大きな喜びでした。
院長コメント
私は日本歯周病学会専門医として、インプラント治療だけでなく「歯をできる限り残す治療」に力を入れています。
今回のようにリグロスを用いた歯周再生療法は、失われた歯ぐきや骨の回復を促し、歯を長く守るための大切な選択肢です。
歯周病で「抜歯しかない」と言われた方でも、状況によっては歯を残せる可能性があります。
もし不安をお持ちでしたら、一度ぜひご相談ください。
治療情報
・治療期間:約6か月(再評価・経過観察を含む)
・治療回数:3回程度 (基本治療のぞく)
・費用:10〜20万円(税込)※部位や条件により変動
・リスク:腫れ、痛み、出血、感染、治癒遅延、再発、効果不十分