2022/09/18高齢者のインプラント治療~奥歯~ 上顎洞炎ありの症例
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箕面市の寺嶋歯科の理事長の寺嶋です。
今回は、奥歯の抜歯即時埋入のケースをご紹介いたします。
日本口腔インプラント学会専門医としてのこだわりの症例です。
74歳女性。歯が割れたのでインプラント治療をすることになりました。
インプラント治療前のCT所見では、慢性上顎洞炎をお持ちであることが判明しました。
通常は上顎洞内に骨を移植するソケットリフトと呼ばれるテクニックを用いて、この上のイラストようにインプラントを埋入するのですが、慢性的な副鼻腔炎があるために、もしかしたら急性副鼻腔炎を起こしてしまうかもしれません。
高齢者で体に負担をかけたくありませんし、治療期間が延びるのも良くない。
とうことで上のように残っている骨に角度を傾斜させて埋めることに。これにより上顎洞を触る必要がありません。
では早速インプラントオペをしていきましょう。
抜歯した直後の状態。3つの根っこがある歯で、骨を傷つけないように繊細に抜歯を行います。(所要時間10分)
つづいてインプラントを埋め込みます。角度を考えながら慎重に埋め込みます。経験がものを言います。(所要時間10分)
最後は骨補填材を入れてコラーゲンの膜を置いて終了(所要時間10分)
オペ時間はトータル45分でした。
抜歯と同時にインプラントを埋め込んでいるため1回のオペで全て終了。
オペ直後のCTです。予定通りの位置に埋め込めています。自分で言うのも何ですが、上手いですね。
オペ後2.5か月後の歯肉の状態。綺麗に治っています。
オペ後3か月で最終の上部構造が入りました。
今回は、高齢者、上顎洞炎あり ということで、少し工夫したインプラント治療を行いました。
このような少しだけアドバンスな治療法は、我々のような日本口腔インプラント学会認定専門医にお任せくださいませ。