2022/11/07歯肉の移植術~遊離歯肉移植術 FGG~
- 奥歯のインプラント
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋宏曜です。
本日は不健康な歯肉を、健康な歯肉に改造するオペを紹介致します。
まずはいつものようにビフォーアフターをご覧ください。
オペ後の写真では歯の周囲にピンク色の歯肉が誕生していることがわかりますね。
このオペを遊離歯肉移植術 Free Gingival Graft と言って、歯科医師の中では「FGG」と呼ぶ手術です。
ではオペの過程を見ていきましょう。
手術前の状態。健康な歯肉がありません( ;∀;)
私が月1回訪問しているクリニックの患者様です。
被せものをやり替えることなく、歯肉の状態のみ治してほしいという依頼です。
被せものを外すと、金属の土台の周囲に健康な歯肉が全く存在していないことが分かります。
ちなみにこの金属の土台はインプラントです。
手術はずばり歯肉の移植です!!
右側の写真のように口蓋から歯肉を頂いて、それを問題の歯に移植します。
いたってシンプルな手術です。
オペ時間も30分以内に終わりました。
私は、歯周病専門医として、「低侵襲に短時間にオペを終わらせる」ことを意識しています。
同じ結果なら、オペ時間が短い方が絶対良いですよね。
オペの経過の写真です。そこまで痛みもありませんでした。
ただし、移植する量によっては痛みが出るときもありますが、鎮痛剤でコントロールできます。
術後1か月の状態。
出張先の患者様なので、私自身はこの1か月までのフォローしかできていませんが、今ならもう少し周囲と馴染んで美しく仕上がっているはずです。
歯磨きがしやすくなって、汚れの付着もオペ前よりも格段に減りました。
患者様も、「毎日の歯磨きが楽になった」と仰って下さいました。
何よりもこのオペのメリットは、健康な歯肉を創り上げることによって、歯肉の防御力がアップし、インプラント周囲炎などからインプラントを守ることができる可能性が高まることです。
最後にもう一度ビフォーアフターを。
遊離歯肉移植術は、短時間で行えるオペでありつつ、成功率も高い、お手軽で便利な手術です。
FGGのメリット
- 防御力を高めて、歯の寿命を延ばせる
- 歯磨きしやすくなる
- オペが簡単で30分程度で終わる
FGGのデメリット・リスク
- 移植した歯肉が生着しない可能性がある(寺嶋の経験上0.5%以下)
- 部位や人によっては術後痛い。
- 内出血の跡は3週間程度出現することがある
- 口蓋から歯肉を取らないといけないので、手術部位が2か所になる(取った口蓋は6カ月でもう一度採取できる程度に治癒します
- 部位や人によっては、長期間かけて移植したところが元に戻っていく
以上、遊離歯肉移植術 Free Gingival Graft のご紹介でした。
もし健康な歯肉が少ないということでお悩みの方、もしくは歯科医師の方は、お気軽にご相談下さい。