2022/12/23交通事故により前歯を失ったケース~前歯のインプラント~
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大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長です。
今回は、前歯を交通事故で失い、それをインプラントで治したケースを紹介致します。
まずはこちらが治療終了後の写真とレントゲンです。
大変美しく仕上がっております。
では流れを解説致します。
67歳男性です。交通事故で前歯を打撲してから、グラグラして、さらに歯肉が腫れてきて来院されました。
レントゲンで、歯根が水平的に折れてしまっていることが判明しました。
折れた部分が膿んで、かなり動揺しているため、残念ながら3本抜歯せざるを得ませんでした。
(歯根の水平破折は、感染していなければ保存できる時も多いです)
まずは抜歯を行いました。綺麗に水平的に折れてしまっていることが分かります。
抜歯後、そのままインプラントを埋め込ました。抜歯した穴と骨との間には隙間があり、そこには骨補填材を入れました。
このインプラントを埋めるポジションがこの治療法の最も重要なポイントです。
通常は手術前にサージカルガイドを用いてオペを行うのですが、このケースは、グラグラして今にも抜けそう、排膿もあり期間を空けるとどんどん骨吸収することが予測されたため、急遽オペを行ったため、私の経験と技術を頼りにフリーハンドで埋入しております。
仮歯を手作りして、装着。歯がある状態で帰宅できるため、非常に喜んで頂けました。
前歯のインプラントでは歯肉の移植を行うことが多いのですが、この方は、歯肉の厚みが元々厚かったので行いませんでした。
2.5か月に上部構造のための型取りを行います。抜歯後すぐに仮歯を入れたことにより、歯肉の形が綺麗に保存されています。
この症例のように、抜歯即時埋入には沢山のメリットがあるため、歯がある状態からスタートする場合は、当院では90%以上で抜歯即時埋入を行っております。
美しい歯間乳頭とオベイドポンティック。即日仮歯の魅力です。
オペから3か月で最終の上部構造を入れます。
この症例では、ジルコニアアバットメントの上に、ジルコニアブリッジをセメントで固定しました。
66歳の屈強な男性、お顔と体格にマッチさせた、スクエア形態の歯にしました。
上から見た写真。見えるところに金属は一切使っておりません。
骨に埋めたインプラントはチタンですが、歯肉の奥深くにあるため、見えることはありません。
歯があたかも自然に生えているように見せるためのオベイドポンティックも大切な治療法の一つです。
治療終了時。大変美しい歯肉です。
ビフォアフターはこちら!
とても満足して頂いております。
当院は、日本口腔インプラント学会専門医であるため、それを頼ってインプラント患者様が多くお越しになられます。
毎日インプラントのオペが行われており、それだけノウハウが日々蓄積されます。
我々専門医でインプラント治療を受けるメリットは、オペ時間の短縮、治療回数を減らすこと、治療期間の短縮にあります。
インプラント治療に何回も手術を行い、何年もかける時代ではなくなってきております。
ぜひ、お気軽にご相談下さい。
最後に私のインプラント専門医としての見解をお伝えします(個人の意見です)
「インプラント専門医ってことはすぐに抜歯するんでしょ?」って思われる方おられるかもしれませんが、それは完全な誤解です。
骨が無くなってもいくらでも造ることができる、だから長い年月かけて歯周病治療をとことん行う。
インプラントはいつでもできる、だからこそ、予後が悪いであろう根管治療にもチャレンジできる
最終手段としてインプラント治療を自らの手で責任持って行うことができるからこそ、その前に歯を保存するためのありとあらゆる治療を提供できるのです。
私は、歯を残せなかった後も最後まで自分の力で、患者様とお付き合いがしたいと思っております。それが責任感。
ゆえに、インプラント専門医の資格を取りました。
(あくまでも個人の意見です。)
文責 寺嶋宏曜