2023/08/27奥歯の接着性ブリッジ~1本土台で2本のジルコニア接着性ブリッジ~
- 症例集
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋宏曜です。
今回も当院が得意としている奥歯の接着性ブリッジについて紹介致します。
まずはビフォアフターをどうぞ。
流れを説明致します。
41歳女性、歯科医師。(歯科医師からの依頼は大変嬉しいです。)
右上4番が真っ二つに折れていました。
当院のホームページをご覧頂き、接着性ブリッジを希望されて、離島から飛行機で来院されました。
もちろんこのようなケースのファーストチョイスはインプラントです。
しかし、この患者様は歯科医師ですので、それぞれの治療法のメリット&デメリットを承知の上で接着性ブリッジを選択されました。
相談の結果、右上4番を土台とするジルコニア接着性ブリッジを行うことになりました。
抜歯後そのまま放置すると、廃用委縮するため抜歯した部分が陥没してしまいます。
そこで、骨吸収を抑制するために骨補填材を移植して、欠損した部分の陥没を最小限にします。
このテクニックを抜歯窩保存術、リッジプリザベーションと呼びます。(費用は55,000円)
2か月後の状態です。この状態でまずは歯を削っていきます。
右上4番を最小限に切削しました。
今回は飛行機で来院されていますので、ワンデートリートメントを行いました。
午前中に来院して頂き、歯を削り型取りを行い、午後に再来院して頂きブリッジを装着するというものです。
院内技工だからこそ可能なワンデートリートメント!!!
このようにジルコニアのウィングを隣の歯(今回は4番)に張り付けるだけ。
非常にシンプルなデザインで、歯を従来型のブリッジよりも削らないことが最大の利点です。
強度もあり、8年ぐらい前から行っている治療法ですが、当院ではまだ一度も壊れたことがありません。(症例をしっかり見極めていることも理由の一つです)
治療後の状態です。一つ手前の3番は色が濃いため、右上の2番に色を合わせました。患者様にも喜んで頂けました。
削っている量が非常に少ないことがお分かり頂けると思います。
今回の症例のまとめは
・来院回数は、➀抜歯&抜歯窩保存術 ②型取り&装着 のたった2回のみ!!
・治療期間2.5カ月
・費用は55000(抜歯窩保存術)+ ブリッジ 132000×2本 + 22000円(ワンデー加算)
前歯部1本支台の2本の接着性ジルコニアブリッジの
<メリット>
・歯をほとんど削らなくて良い
・治療回数は2回のみ(1日目:歯を削って光学スキャン 2日目:装着(もしくは1日で完了させるワンデートリートメントも可能な場合があります)
・費用が2本分で済む。 この症例では132,000×2本 でした。(ワンデートリートメントを行ったため追加で22,000円頂いています)
・もし壊れても、元の状態に戻るだけ。その時に通常の沢山歯を削るブリッジを行うのもよし、インプラントをするのもよし。
<デメリット>
・通常の3本のブリッジよりは壊れやすいかもしれない(8年前から行っている当院の経験上、まだ壊れたことはありませんが・・・)
・支えている1本の歯に負担がかかりすぎることがある(症例選択が重要です)
・ポンティック(ダミー)の部分のみで硬いものを噛むことはなるべく控えた方がよい
・噛み合わせが深い(ディープバイト)の患者様には、使えない場合がある(こればかりは応相談です)
・壊れてしまい、通常のブリッジを行う場合などは、再度費用がかかってしまう(当院の保証期間は5年)
以上、ジルコニア製接着性ブリッジの紹介でした。
皆さん、本当に喜んで下さるので、私も大変遣り甲斐のある治療の一つです。
(文責:寺嶋宏曜)