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2024/05/19骨補填材を使わない大臼歯の抜歯即時埋入~歯科医師向け~

大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋宏曜です。

今回は、上顎の大臼歯の抜歯即時インプラントのケースをご紹介致します。

まずはビフォーアフターをご覧ください。

この症例は数ある症例の中の一つの臨床例です。結果は患者様によって異なることをご了承下さい。

プレゼンテーション2.png

骨欠損がかなり大きかったため、抜歯即時埋入なのに治癒に5か月もかかってしまった珍しい症例です。

では概要を記していきます。

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50代女性。左上の第2大臼歯(左上7番)の破折と歯根嚢胞で、インプラント治療をすることになりました。

黄色→の部分が破折していますね。

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CT画像を見ても、骨がかなり溶けてしまっています。

歯科医師の皆さんは、ここに抜歯即時埋入をするなんて無茶なって思われますよね。

しかし、これだけ大きな骨欠損が治癒するのを待ってインプラントをしていたら1年ぐらいかかりそうですよね。その間に対合歯が延びてきたりして。

従って、まずは抜歯即時埋入を行います。ご本人も初期固定が得られなかったら撤退するとお伝えしております。

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ソケットを掻破していたらほとんど骨が無くなりました。そこで使用するのはウルトラワイドインプラント。

この症例では15N程度の初期固定を得ることができました。

今回は埋入ポジション的にワイドのヒーリングアバットメントを使用できるため、骨補填材を使わずにグラフトレスです。

周囲は血餅のみです。

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オペ時間は、麻酔⇒抜歯5分⇒掻把10分⇒インプラント埋入15分でトータル30分程度。骨を一切削ることなくインプラントを置いてきただけ。とても簡単なオペです。

しかし、ここからが工夫が必要です。

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このままウルトラワイドのヒーリングアバットメントを入れ続けると骨再生と歯肉の再生のスペースを奪ってしまいます。

ここから歯肉の変化を見ながらヒーリングアバットメントの径を細くしていくのです。

このテクニックはエビデンスがあるわけでなく、私自身が臨床経験とバイオロジーを考慮して独自で行っているものです。予めご了承下さい。

このテクニックの詳細は、私の抜歯即時埋入のセミナーを受けてください!(←やっぱり歯科医師にいろんなことお伝えしたい!残された歯科医師人生かけての使命です。)

セミナーではこれらのオペを動画で説明しております。

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こんな感じで綺麗に治っていきます。骨欠損がおおきくてISQ値が70超えるまでに4か月かかりました。

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5か月後にジルコニアクラウンを装着して終了(抜歯即時埋入で5か月は過去最長。)

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抜歯窩が治癒する過程にインプラントを取り込ませることにより、無駄を省くというのが抜歯即時埋入の原則。

完全なグラフトレスであるこの症例はそれを顕著に表している症例ではないでしょうか?

私は、「1回の手術でいかに多くのことをできるか、いかに早く治療を終了させるか、歯が無い時期を限りなく短くしていく」を重要視しています。

結果が同じであれば、それにこしたことはない。

この症例の

治療費:約43万円

治療期間:治療期間5か月

リスク:インプラントが定着しない可能性がある

私の医療人としての矜持は、まさに「振り返ること」

綺麗な写真を撮影し、症例をこのように常に振り返り、術式を評価しています。

やりっぱなしの医療ではなく、結果を分析し続ける。

オペには絶対はない。そこに教科書は無力。最後に信じれるのは己の経験と技術。

それがプロフェッショナルと思って、これからも日々努力して参ります。

文責 寺嶋宏曜

© Terashima Dental Clinic