2024/06/16奥歯のインプラント~抜歯即時埋入 治療期間3カ月~
- 症例集
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋宏曜です。
今回は、奥歯の大臼歯の抜歯即時埋入のケースをご紹介致します。
まずはビフォーアフターをご覧ください。
この症例は数ある症例の中の一つの臨床例です。結果は患者様によって異なることをご了承下さい。
治療期間は3カ月で、綺麗に治りました。
では概要を記していきます。
40代女性。下顎の欠損および他の歯も腫れているとのことで来院されました。
診断の結果、黄色の×がついている部位も歯根破折を起こしていて、ポケットから排膿していたため、相談のもと抜歯してインプラント治療を行うことになりました。
昔ながらの治療法であれば、この黄色の歯を抜歯して数か月待ってからインプラントを埋入し、さらに数か月。合計6か月コースでした。歯が無い時期が長すぎる・・・
すでに噛めない日々を過ごしているため、早く噛めるようになりたいという希望がありました。
そこで今回も抜歯即時埋入を行いました。
抜歯即時埋入と通常の埋入(専門的には、成熟側埋入と言います)の埋入ポジションの比較ができる良い写真です。
歯科医師へのアドバイス!!! まずは抜歯即時埋入を行い、それに平行に成熟側埋入を行うと綺麗に埋入できます!!
右下7番は舌側骨が大きく吸収しているため、ワイドインプラントを用いてもギャップが広いことががわかりますね。ここには他の部位のインプラント形成時の自家骨を填入してギャップを埋めています。
こちらもまずは7番の抜歯即時埋入を行い、それに平行に6番を埋入しています。
オペ時間は、左右でトータル75分(オペ室入室から退室まで)
3か月後の状態。非常に良好。
オペ後 3か月後に上部構造を装着して終了。
ジルコニアクラウンをスクリューで締結します(スクリュー固定と呼びます)
骨の成熟の過程をご覧ください。
抜歯した部位がどんどん治っていく内部にインプラントを取り込ませるイメージです。
プロが見ると分かる安定した周囲骨。埋入ポジションの重要性がうかがわれます。
今回の症例は、成熟側埋入と抜歯即時埋入の比較ができる興味深い症例ではなかったでしょうか?
現代のインプラント医学では、いかに早く治療を終了させるかが大切なポイントになっております。
この症例の
費用:約90万円×左右 =180万円
治療期間:治療期間3か月
治療回数=たった4回のみ(①抜歯&埋入 ②抜糸 ③インプラント型取り ④インプラント装着)
<若手歯科医師へのメッセージ>
私と同じ分野の歯科医師が見たら、「他の銀歯も治したり、矯正もすればよいのに」って思われるかもしれません。確かに銀歯や歯列不正を残しているこのような症例は歯科商業誌にはほとんど出てこないです。
しかし、私は美しい症例写真になる作品を作っているわけではなく、開業医として患者様の希望を最優先した治療を日々追求しています。
特に私の症例集は、若手歯科医師が多数ご覧くださっております。
講演や本などで優れた臨床家のチャンピオンケースばっかりを眺めていても、「凄い!あこがれる!」って思うだけで、現実世界では全く上手くなりません。
手が出せないようなアドバンスなテクニックばかりの紹介ばかりではなく、この症例のように銀歯とインプラントが混在するような症例こそが日本の医療現場のリアルな臨床であり、それを紹介したい。
経験年数関係なく、我々臨床家にとって大切なのは、現場で患者様の声に耳を傾け、どれだけ泥臭く臨床を追求できるかだと思っております。
文責 寺嶋宏曜