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2024/06/09歯周病の再生治療の症例~Entire Pappilae Preservation Technique~

大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋です。

今回は、歯周病の再生治療の症例のご紹介です。

今回はやや難易度が高いテクニックを用いているので、歯科医師向けとさせて頂きます。 一般の患者様はそれとなくお読みください。

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まずはビフォアーアフターをご覧ください。

症例を説明して参ります。

30代女性です。

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右下2番の近心(→のところ)の歯肉が腫れているとのことで、歯周組織再生療法を希望されて遠方からいらっしゃいました。

レントゲンではやや骨吸収を起こしています。過去に矯正治療をしていたり、咬合性外傷が生じていた可能性があります。現在は咬合に問題は生じていませんでした。

2壁性骨欠損で、すでにブラックトライアングルも生じているため、歯肉退縮を起こさせないようにすることが重要なため、簡単そうに見えて実は難症例ですね。

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今回使用したフラップテクニックは、Entire Pappilae Preservation Techniqueです。

歯間乳頭温存フラップの中では比較的新しいテクニックです。

マイクロスコープ下で、リグロス&骨補填材(バイオス:牛の焼成骨で、歴史が古く安全性が高い商品です)の併用療法を行いました。

縫合は7-0と用いて、繊細に行っております。

このテクニックでは乳頭を触らないといいつつも、根面ポケット部分のデブライトメントをするときにどうしても付着が緩みやすくなるため、私はレジン固定懸垂縫合を用いて寄せております。

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1週間後、大変美しい治癒です。血管新生促進作用が強力なリグロスを使用したため、1週間後でもまだ出血が認められます。

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そして12か月後の状態。歯肉の腫れも治り、歯肉退縮もありません。

骨補填材と既存骨の馴染みも良好です。右下2近心の骨欠損部位の歯槽硬線が明瞭化していることが大変興味深いですね。

歯槽骨頂の歯肉と接触している部分は、おそらく結合組織が骨補填材に入り込んでいると推測します。

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術前と術後写真です。

垂直的な骨量の増加が観察されます。これは他のフラップデザインで行うとなかなか得ることができない結果だと思っております。

最近私も行うようになっているNIPSAはもっと結果出せるようになってきているので、近い将来知見を述べたいと思います。

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骨の変化です。

術直後のポケット内の補填材は流れていき、多少は結合組織が入り込みつつ、バイオス内に新生骨が生じ、12か月では安定していると推測いたします。

しかし!!実はよく見ると右下1番の遠心の歯肉が1年前より少し下がっております・・・なにか咬合性外傷が生じているのか?舌癖とかあるのか?などと色々推察しながらフォローアップしております。

今回はややマニアックな内容となっていますが、このように経過を追い続けることが臨床家として非常に大切なことといつも思っております。

寺嶋ペリオ塾では、このオペをマイクロ動画でご紹介したりして深堀りして参ります。

よろしければご参加くださいませ☺

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