2024/07/01<歯科医師向け>結合組織移植を用いて変色歯根を遮蔽するテクニック
- 症例集
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋でございます。
今日は歯科医師向け症例です。
歯科医師から「ブログで自分の技術を曝け出すのってもったいなくないですか?」ってたまに言われます。
全然勿体なくありません。同じような悩みを抱えている患者様のためになったら嬉しいし、これを読んでいる歯科医師の参考になって、その先生の地域で同じような人が一人でも治ったら嬉しい。
この映画たまたま先日見て、「やっぱり医療人になった限りは、患者様のために生きたい!」って強く再認識しております。影響を受けやすい性格です。
まずはビフォアーアフターをどうぞ。
では症例の概要を示します。
20代女性。右上2番の補綴物の色のアンマッチと、歯頚部の変色、そして何より、「歯肉が黒いことが気になる」というのが主訴でした。
担当医は当院の熊本です。
補綴物を除去するとこのような状態。歯冠部の変色はウォーキングブリーチである程度は改善できますが、歯根部の変色はなかなか難しい。
歯肉も薄いため、歯根の変色が透過していると診断しました。(歯肉の変色に対するCTGの論文は有名なのがありますね。ここでは紹介しませんが。)
ということで歯肉移植。原理原則を知れば、難しい技術ではありません。ただし失敗すると余計悪くなるので注意が必要です。
歯科医師熊本と一緒に手術を行いました。
今回はエンベロップテクニック(envelope technique)を用いております。1週間後の治癒が良好であることがわかります。
根面被覆を目的としていないので、コロナリーに上がり過ぎないように注意が必要です。
2か月後の状態、当たり前ですが、歯肉が増えています!これで歯根の変色がマスクされました。
オールセラミックを装着して終了。(補綴担当:熊本、院内技工士:大谷)。 移植した部分が反対側より増大していることが良くわかります。
術前と術後。薄暗かった歯肉が明るくなりました。
結合組織移植ができると色々なニーズにお応えできるようになります。
ぜひ若手歯科医師の皆様、マスターしてください。
ただし、ブログでは細かい技術は解説していないので、写真だけみてできるようになりません。
CTGのセミナーってたくさんあるので、一度は受講して、原理原則を学んでから実践してくださいね。
(私のセミナーでもオッケーです(^^♪)
文責:寺嶋宏曜