2024/09/02上顎オールオン6症例~フルデジタル&治療期間4カ月~
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大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋です。
今日は上顎オールオン6の症例をご紹介致します。
この治療が4カ月で終わるって良い時代です。
まずはビフォーアフターをどうぞ。
初診時の写真は↑です。53歳男性。重度の歯周病患者様です。
残念ながら、上顎の歯はどれもグラグラしていて、今にも抜け落ちそうでした。下顎はまだ何とか持ちそうですが、予後は良く無さそうです。
上顎に対してインプラント治療を希望されました。
お顔の写真から理想的な歯の位置をデジタルでデザインして、それとCTの骨のデーターを重ね合わせて、どこにどのサイズのインプラントを入れていくか決めていきます。
デジタルが進化して、本当に素晴らしい時代になりました。
とは言っても、デザインが出来たらOKってことではありません。
この症例では、なんせ骨が少ない。抜歯したソケットを利用してデンサーバーを使いながらソケットリフトなど行う計画を立案
特に右側は、4番と5番にサイナスの中隔があるので、そこを目掛けて埋入です。
そしてデザインを元にした仮歯を製作して、いよいよオペに。
ここまで全てデジタルです。アナログ一切ありません。
印象した歯が抜けるので、IOSによるスキャンの優位性が高い!
オペは静脈内鎮静下で行いました。
歯を抜いて何とか骨あるところに埋入、全て初期固定35N以上得れました。デンサーバーによる骨圧縮のすばらしさです。
↑オペ当日にこのような綺麗な仮歯を入れて帰宅できます。この時点で人生変わったと仰って頂けました。
↑来院時と帰宅時で劇的ビフォアーアフター。帰り際に鏡見て、喜んで下さるお姿を見て、私も歯科医師をやっていて良かったと心から思える瞬間です。
本当は、これから下顎も右下にインプラントを入れて、咬合平面を揃えようと計画していたのですが、ご本人が上顎が綺麗になったことにより「下顎はいつかオールオン6にしたいので、今回は下顎の治療は要らない」って仰いました。
もちろん患者様の希望がとても大切いうことで、平面は不揃いですが、このまま上顎を製作することになりました。(ご希望内容によっては不可能ですってお断りすることもありますよ)
そしてオペから4か月後に、ジルコニアの上部構造を装着して終了です。
↑劇的ビフォアーアフター。
右下とか予後不良歯残っていますが、本人の強い希望によるものです。ご理解ください。
ジルコニアの上部構造は汚れもつきにくく大変美しいものです。本人の希望により、やや白い歯にしました。
術前と術後の比較写真。
土曜日しか来院できない患者様でしたが、インプラントは来院回数が少ないことが魅力。おかげで4カ月で終了です。
<歯科医師向けのまとめ>
現在の歯科治療のおいては、デンサーバー、ワイドショートインプラントを駆使して、フルデジタルで製作した即日プロビを入れれる時代になりました。
もちろん本症例は、ザイゴマを適応させる先生もいらっしゃるでしょう。でもまだ53歳とお若いですしね。
少なくとも、最初に総義歯を入れ、そのあと両側サイナスリフトしてそれから6本埋入してっていう2年コースはほぼ行わなくなりました。
5年前までは、年間20症例ぐらいラテラルウィンドウ開けてましたが、今は年間1症例あるかないか。(既存骨0-1㎜の場合だけ)
ここ5年でインプラントの時代は大きく変わった感じがします。
常にアップデートしていきたいところです。
文責 寺嶋宏曜