2024/09/07骨隆起除去手術~上下同時オペ~
- 症例集
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋宏曜です。
今回はインプラントや審美と異なり、一般的な口腔外科手術についてご紹介致します。
「骨隆起除去」です。
まずはビフォアーアフターをどうぞ。人生変わったと喜んで頂けました。
72歳女性です。上顎の骨隆起が大きくなりすぎて、ご飯を食べるのも辛い、モノを飲みこむのも大変ということで大変悩まれていらっしゃいました。
そして、当院のブログ(私自身が骨隆起除去を受けたブログ)をご覧頂き、「この先生になら任せることができる」と思われて90分かけて遠方からいらっしゃいました。
ご相談の結果、静脈内鎮静下で、上下同時骨隆起除去を行うことにしました。
まずは、上顎から除去しました。これまでの患者様の中で最も大量に骨を除去しました。術後ご本人に差し上げたら、その量にめっちゃ驚かれていました。
大変取り甲斐があり、執刀医として充実感に満たされました。
続いて下顎の両側骨隆起除去です。セデーション(鎮静)しているので、開咬器を装着してるため、左右片方ずつ行いました。
ここで歯科医師向け臨床的にTipsです。
下顎の正中は剥離しないのが私の中でのこだわりです。ここを剥離してしまうと一気にフラップの可動性が高まりフラップの復位に影響が生じる。その結果術後の治りに影響が及ぶと考えております。
こういうのは歯周病手術やインプラント手術の経験から得てきた大切な知見です。後身に伝えていきたい。
上顎に比べるとオペも短時間で終わります。
ただし、下顎の方が解剖学的なリスクが多いため、より繊細な手術が求められます。
私のオペでは、ピエゾサージェリーを用いているため、軟組織を切ることなく安全にオペが可能です。当院でオペを受ける優位な点です。
オペ3週間後です。下顎は全く痛みが無かったとのことですが、上顎はかなり痛みが続いたようです。
3週間後の状態でもまだ完全に上皮化していません。まだ腫れもすこし残っています。
上顎は歯肉がめちゃくちゃ薄く、壊死しやすく、一部開放創もあったりと2次性創傷治癒を起こすためです。
下顎は完全閉鎖が可能なため1次性治癒を得ることができるため痛みはかなり少ないのが特徴です。
遠方の方であるため、術後3週間しかフォローアップできませんでした。経過を見れないのは残念ですが、あとは時間をかけて治っていくだけなので大丈夫でしょう。
「食事が取れるようなり人生変わった」「オペを受けて本当に良かった」と仰って頂けて、私も大変嬉しく思います。
文責 寺嶋宏曜