2024/12/29前歯を含む審美インプラント治療~歯の色への価値観は男女で大きく異なります~
- 症例集
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋宏曜です。
前歯を含む審美インプラント治療を紹介します。
歯の色の選び方の参考になる、専門医からのアドバイスを最後に記しているため是非最後までご覧くださいませ。
まずはビフォーアフターをご覧ください。
この症例は年間350本(累計3000本)の当院の実績の中の一つの臨床例です。
当然のことですが、結果は患者様によって異なります。
この治療が3.5カ月で終わる素晴らしい技術の進歩です。
初診時の写真は↑です。58歳女性。10年ぐらい通って下さっている患者様です。
上顎の長い距離のブリッジが何度も欠けたり脱離して、希望によりその度に再装着をしてきましたが、いよいよ歯根が折れてしまい、脱離する頻度が増えてきたためご本人がインプラント治療を希望されました。
理想的な歯の位置をデジタルでデザインして、それとCTの骨のデーターを重ね合わせて、どこにどのサイズのインプラントを入れていくか決めていきます。
デジタルが進化して、本当に素晴らしい時代になりました。
このデータをご本人にもご覧頂くことができるため、治療のゴールを共有することができます。
サージカルガイドと仮歯を用意してから、いよいよオペとなります。
プランニングどおりにインプラントを計3本埋入(当然4本の方が力学的には安定するのですが、咬合力も弱い方と診断し、費用を抑えるために今回は3本にしています。必要インプラントの本数などは個人差が出やすいところです)
歯を抜いたあと、サージカルガイドを用いて計画通りの位置にインプラントを埋入しました。
オペ時間は1時間 そしてその後仮歯の製作が45分でした。
正味オペしている時間は45分ぐらいであり、このレベルの簡単なオペであれば、静脈内鎮静(セデーション)は不要であることがほとんどです。
↑オペ当日にこのような仮歯を入れることができます。やや分厚く作っているのですが、強度が命なので、しばらくこれで辛抱して頂きます。
この症例では、結構しっかりと噛ませております。
そしてオペから3.5か月後に、ジルコニアの上部構造を装着して終了です。
このような治療が短期間で終わるのは本当に素晴らしい時代です。
美しい口元に生まれ変わりました。
<歯科医師向け解説>
当初のデザインではスクリュー固定を予定していたのですが、ご本人が2か月後の装着した新しい仮歯のときに、「もっと口元を引っ込めたい、実はそれが悩みだった」と追加のご要望を仰いましたので、セメント固定に切り替えることにしました。
(症例によってはマルチユニットアバットメントに変更できますが、この症例ではボーンリダクションもしてないし、せっかくオベイドポンティックなども作り上げた後でしたので、カスタムアバットメントとセメント固定を選びました。)
術前のデジタルデザインとゴールの共有の限界はこういうところにあります。患者様の期待というものは、口腔内が整ってくると、急に高まってきたり、これまで一切仰っていなかったリクエストが一気に増えてきたりします。これは歯科医師あるあるだと思います。
こういうのは我々としては結構辛いときがあります(・_・;) 当初の治療計画と大幅に異なるときは、お断りせざるを得ないこともありますが、「美」に関しては何とかご要望を叶えて差し上げたい気持ちです。
↑劇的ビフォアーアフター。
希望されていた美しい歯が入ったあと、口角を上げて、前歯をしっかり見せる練習もして下さったそうです。その努力を拝見し、この患者様の審美に携われて私も大変光栄だと実感したのでした。
「バッカルコリドーは少ない方が好き。」というご要望にもお応えしました。
歯の色もご本人が美白を希望されました。「我々としては少し白すぎると思う」って何度も意志を確認しましたが、ご本人はこの白い歯をとても気に入られました。
経験上、女性に関しては、我々歯科医師サイドが「少し白すぎるんじゃない?」と思うぐらい白い色を選ばれた方が結果的に満足して頂けることが多いです。
ほとんどの女性は、3か月ぐらい経つと「もっと白くても良かったかも」って仰います。
逆に男性はあまり白いと、後で「やっぱり少し暗くしてほしい」という方が多い気がしています。
ご自身の歯の色を選択するときの参考になれば幸いです。
<症例のまとめ>
本症例のようなインプラント治療期間:3-4か月
本症例の治療費:2,128,500円(インプラントに関連する全ての治療費を含む)
金額は高額ですが、大きな口を開けて笑うことができるようになり、笑顔が増えることで自ずと人生は豊かになると確信しております。
<リスク>術後の腫れと痛み
まずはご相談下さい。
文責 寺嶋宏曜