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2024/12/01奥歯の抜歯即時埋入症例~歯根嚢胞や感染があっても抜歯即時埋入は可能なのか?

大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋宏曜です。

今回は、奥歯の大臼歯の抜歯即時埋入のケースをご紹介致します。

まずはビフォーアフターをご覧ください。

この症例は年間350本(累計3000本)の当院の実績の中の一つの臨床例です。

当然のことですが、結果は患者様によって異なります。

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治療期間は2.5月という短期間で、綺麗に治りました。

では概要を記していきます。

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40代男性。左下奥歯のインプラント治療を希望されて来院されました。

前医で抜歯宣告を受けて、専門医を探して来院して下さりました。

診断の結果、虫歯が歯茎の下、さらには骨縁下まで進行しており、CTでは歯根嚢胞を疑う、根の先の病気も認めました。

歯冠長延長術と根管治療をすれば保存もできるかもしれませんが、結局は咬合に耐えれなくて割れてしまうことがほとんど。

ということで、ご希望どおりインプラント治療を行うことにしました。

昔ながらの治療法であれば、この黄色の歯を抜歯して数か月待ってからインプラントを埋入し、さらに数か月。合計6か月コースでした。(長すぎますね)

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そこで今回も抜歯即時埋入を行いました。

この症例のオペ時間は、たった20分。骨補填材もコラーゲンスポンジも何にも使用していません。

埋入してワイドのヒーリングアバットメント装着して、縫合で少し歯肉を寄せただけ。

歯根嚢胞があるような歯に抜歯即時埋入はできるのか??って歯科医師からも患者様からも聞かれることがあります。

文献的にも問題ないようですし、私の臨床経験上も全く問題ありません。

そもそも「感染していたら抜歯即時埋入は危険」という論理は破綻しています。なんらかしらの感染があるから抜歯している。

感染していない歯を抜いてインプラントを入れるケースの方が圧倒的に稀です。(「つい最近生じた歯根破折」ぐらいかな?)

「抜歯即時埋入は感染している歯を抜いて、そこにインプラントを埋めている」と思うべきです。

抜歯即時埋入は教科書にも載っている、何十年も前から世界中で行われている、すでに治療として地位を確立している術式です。もし術後感染やインプラントのロストが頻発していたらとっくに消滅している治療法でしょう。

歯科医師の中にも未だに、「感染しているので抜歯即時埋入はやめた方が良い、抜いて骨が治ってから埋入した方がよい」って説明して患者様を混乱させている先生もいらっしゃいます(単にその先生が勉強していないだけじゃないのか?)

逆に、「この症例は抜歯即時埋入の方がよい結果が出るから、寺嶋先生を紹介します」って言って、紹介して下さる歯科医師もいらっしゃいます。特に前歯部のご紹介は沢山頂いており、大変光栄でございます。

抜歯即時埋入の難しさ、奥深さは感染の有無にあるのではなく、埋入ポジションなど他の所にあるのです!(これらはまた別の私のブログをご覧ください)

ということで、エビデンス的にも抜歯即時埋入は私の中で圧倒的に信頼できる治療となっております。

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2.5か月後に最終の上部構造を装着して終了。当院の技工士が製作したジルコニアクラウンをスクリューで締結しました。

インプラントにかかった回数は4回だけ。

最後に骨の成熟の過程をご覧ください。

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歯根嚢胞があった根尖の透過像も消えつつあります。

プロが見ると分かる安定した周囲骨。

プラットフォームの上部に骨が乗ってきています。

今回の症例は、歯根嚢胞できる興味深い症例ではなかったでしょうか?

現代のインプラント医学では、いかに早く治療を終了させるかが大切なポイントになっております。

この症例の費用:約43万円 治療期間:2.5か月

治療回数=たった4回のみ(①抜歯&埋入 ②抜糸 ③インプラント型取り ④インプラント装着)

<リスク>

徹底的に嚢胞を除去しますが、それを取り残すと残留方法が生じるかもしれません。

その結果インプラントの長期安定に影響がでるかもしれません。

文責 寺嶋宏曜

© Terashima Dental Clinic