2025/08/31<意外と難症例>抜歯即時埋入+骨造成+CTGによる審美インプラント治療(50代女性・右上犬歯部)
- 症例集
ご挨拶
こんにちは。大阪府箕面市の寺嶋歯科医院、院長の寺嶋宏曜です。
当院では、これまで15年間で約3,000本以上のインプラント治療を行ってまいりました。今回ご紹介するのは、その中の一症例です。
もちろん、インプラント治療は患者様の骨の状態や全身の健康状態によって結果が異なる場合がありますが、ここでは抜歯即時埋入・骨造成・CTG・即時修復を組み合わせた治療の流れを症例としてご覧いただければと思います。
初診時の状況
患者様は50代女性。右上犬歯(C)の残存乳歯が破折し、審美性と咬合機能の回復を希望されて来院されました。
診査の結果、#14は動揺度2度を呈しており、長期的な保存は困難と判断しました。![]()
#12は矮小歯でしたが動揺はなく、反対側の#22も矮小歯であることから、抜歯即時埋入インプラントを#14部位に行い、#13-14のカンチレバーインプラントブリッジとする計画としました。
術前CTにて、骨幅が非常に薄く、難症例であることが確認されました。 そのため、抜歯と同時にインプラント埋入・骨造成・バッカルオンレーグラフト・CTGを行う高度な手術計画を立てました。![]()
治療内容
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抜歯即時インプラント埋入
#14を抜歯後、同部位に即時インプラントを埋入しました。これにより治療期間を大幅に短縮できます。
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骨造成(VISTA法応用)+バッカルオンレーグラフト
インプラントの長期安定には十分な骨幅が必要です。そのため、VISTA法を応用した骨造成を行い、さらにバッカルオンレーグラフトによって骨のボリュームを確実に増加させました。 -
結合組織移植術(CTG)
インプラント周囲の審美性と清掃性を長期的に維持するため、CTG(結合組織移植術)を同時に行い、歯肉の厚みを強化しました。
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即時修復(審美インプラント治療)
前歯部の見た目を損なわないよう、固定式の仮歯(プロビジョナルクラウン)を即日に装着し、治療期間中も自然な審美性を保てるようにしました。
治療経過
オペ直後のCTでは、骨造成によって大幅に骨のボリュームが増大していることを確認できました。
従来であれば、抜歯後に大規模なGBRを行い、6か月待機してからインプラント埋入、その間は部分入れ歯を使用する必要があり、トータルで約1年を要する治療でした。![]()
本症例では、インプラント手術は1回のみ、治療期間もわずか4か月。さらに固定式仮歯による即時修復が可能で、機能面・審美面ともに安心して過ごしていただけました。
治療期間
約4か月で最終補綴(ジルコニアクラウン)を装着し、治療を完了しました。![]()
治療後の結果
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インプラントブリッジにより自然な咬合と審美性を回復。
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CTGにより歯肉の厚みが確保され、長期安定性が期待できる状態。
リスク・注意点
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インプラントが骨と結合しない場合は再手術が必要になることがあります。
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仮歯期間中は硬い食べ物や粘着性の食品を控えていただきます。
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喫煙や全身疾患は治癒遅延のリスクとなります。
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手術後には腫れ・痛み・内出血が数日続く場合があります。
院長コメント
これまで3,000本以上のインプラント治療を手がけてきましたが、この症例もその中のひとつに過ぎません。
一見するとシンプルに見えるかもしれませんが、実際には抜歯即時埋入・骨造成・バッカルオンレーグラフト・CTG・即時修復といった高度な技術を組み合わせた複雑な治療です。
ただ、そうした難しさを患者様に意識させず、自然に「当たり前のようにきれいに治る」結果を提供することが、私たち歯科医師の使命でありプロの仕事だと思っています。
寺嶋宏曜