2026/02/21骨がほとんどない上顎奥歯に対するインプラント治療 ― 既存骨1mm以下からのグラフトレスサイナスリフト症例 ―
- 症例集
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の寺嶋宏曜です。
当院では、骨が少ない・他院で断られた・上顎洞が近いといった難症例インプラント治療にも対応しています。
インプラント治療は「入れられるかどうか」ではなく、 どの術式を選択し、どのように安全性と予知性を高めるかが重要です。
本日は、 既存骨が1mm以下という極めて厳しい条件下で行ったグラフトレスサイナスリフト症例をご紹介します。
「骨がないから無理」と言われた方にとって、 一つの選択肢となる内容です。
58歳男性の患者様。
これまで複数の歯科医院を受診されたものの、「骨がほとんどないためインプラントは難しい」と説明を受け、当院のホームページをご覧になり来院されました。
術前の状態
右上6・7部位は、既存骨約1.5mm、ほとんどが1mm以下。
さらに一部では上顎洞底骨が完全に消失している部位も認めました。
このようなケースでは、
-
上顎洞粘膜の穿孔リスクが極めて高い
-
初期固定の確保が困難
-
骨造成単独では治療期間が長期化する
といった課題が存在します。
いわゆる上顎洞底挙上術(サイナスリフト)高難度症例に該当します。
治療方針
本症例では
-
グラフトレスサイナスリフト&インプラント同時埋入
-
エクストラワイド&ショートインプラント
を選択しました。
なぜグラフトレスなのか?
そもそも上顎洞粘膜が破れているため、骨補填ができないのです。
従来法では骨補填材を併用するラテラルアプローチが一般的ですが、本症例では
-
デンサーバーによる骨の圧縮・オステオトーム効果
-
ワイド径×ショート設計による初期固定の最大化
を活用し、骨補填材を使用せず自家血餅主体での骨形成誘導を行いました。
これにより、
-
治療期間短縮
-
侵襲軽減
-
合併症リスク低減
を同時に実現しています。
5年ぐらいまでは骨補填材を併用するラテラルアプローチを行っていましたが、現在ではラテラルアプローチはほぼ行っておりません。私自身、年間400本以上埋入手術していますが、2025年1年間でラテラルアプローチを行ったのはわずか2症例のみです。
時代はまったく変わったことを実感しております。
治療経過
①手術:グラフトレスサイナスリフト+同時埋入
合計4か月で治療完了。
既存骨1mm以下の症例を4か月で終了できることは、術式選択と外科的コントロールが適切であった証左といえます。
治療費
1,083,500円(税込・全ての費用込み)
患者様アンケート
他院をまわり話を聞き、こちらの寺嶋歯科医院へインターネットでやっとたどり着きました。やはり誰もが手術や高額治療費の為お悩みになると思いますが、院長先生の揺るがない詳細で解りやすい説明と未来予測にあと押ししていただき治療を決意致しました。大変感謝しております。
もしインプラント治療で迷っていたり考えている方がいらっしゃるなら、まずご自分の口腔内をくまなく理解しインプラントやそれに付随する全てをご自分で猛勉強して下さい。治療は歯医者さんだけではなく(人任せ)自分も一緒に勉強しておく事が重要と感じました。 今後の治療も踏まえ寺嶋歯科医院に来るのが毎回楽しみです。
「骨がないから無理」と言われた方へ
上顎奥歯は、抜歯後に急速に骨吸収が進行します。 特に上顎洞が拡大している場合、骨は1mm以下になることも珍しくありません。
しかし、
-
適切な診査診断
-
器具選択
-
インプラントデザインの理解
-
外科的コントロール
があれば、治療の可能性は残されています。
すべての症例が可能とは言いませんが、 「骨がない=不可能」ではありません。
治療期間
約4か月
リスク・副作用
-
上顎洞粘膜穿孔
-
術後腫脹・疼痛
-
出血
-
感染
-
インプラント初期固定不足
-
上顎洞炎
-
インプラント脱落
-
神経損傷
-
骨吸収
まとめ
本症例は、既存骨1mm以下という極めて厳しい条件下で、
-
グラフトレスサイナスリフト
-
エクストラワイド&ショートインプラント
を用いることで、4か月という短期間で治療完遂したケースです。
上顎奥歯のインプラントでお悩みの方は、 まずは精密検査にて現状を把握することが第一歩です。
寺嶋宏曜