2026/02/06前歯のインプラント治療と矯正治療を併用した症例~口蓋裂患者様~
- 症例集
― 抜歯即時インプラント埋入・GBR・歯肉移植(CTG)・マウスピース矯正 ―
術前診断(Pre-Op)
55歳女性の患者さんです。
前歯部のブリッジが脱離し、精査の結果、歯根破折を認めました。保存は困難と判断し、抜歯を伴う治療が必要な状態でした。
CT検査では、骨欠損(口蓋裂)を認めました。
このようなケースでは、通常の位置にインプラントを埋入すると、
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インプラントの安定性低下
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骨吸収の進行
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審美性の悪化
につながる可能性があります。
そのため本症例では、顎裂を正確に把握した上で、それを避けたインプラント埋入と骨造成(GBR)を併用する治療計画を立案しました。
治療計画のポイント
本症例の重要なポイントは以下の3点です。
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顎裂部位を避けた三次元的なインプラントポジションの設定
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顎裂によって生じた骨の陥没に対するGBR(骨補填)によるボリューム回復
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前歯部の長期安定を目的とした歯肉・咬合のコントロール
これらを踏まえ、 抜歯即時インプラント埋入+GBR+歯肉移植(CTG)+仮歯の即時装着を行いました。
抜歯即時インプラント埋入・GBR・CTG
抜歯後、顎裂部位を避けた位置にインプラントを埋入しました。
一方、口蓋裂により生じていた骨の陥没部位にはGBR(骨補填+吸収性膜)を実施し、 将来的な骨量維持と歯肉形態の安定を目的にボリュームを回復させました。
さらに前歯部では、歯ぐきの厚みが治療予後に大きく影響するため、歯肉移植(CTG)を併用しています。
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仮歯の即時装着(Immediate Provisionalization)
初期固定が得られる条件が整っていたため、手術当日に仮歯を装着しました。 これにより、歯がない期間を作らず、歯肉の治癒形態をコントロールすることが可能となります。
矯正治療(マウスピース矯正)
インプラント治療後、 下顎前歯部に対してマウスピース矯正(インビザライン)を行いました。![]()
矯正治療を併用することで、
- 審美性回復
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咬み合わせの安定
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前歯部への過度な負担の軽減
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インプラントの長期安定
を図っています。
最終補綴(Final Restoration)
治癒期間を十分に確保した後、最終的な被せ物を装着しました。
歯肉ラインや清掃性にも配慮し、審美性と機能性を両立した前歯部の回復を目指しています。![]()
治療期間
治療費用(自費診療)
※すべて税込み表示です。
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インプラント治療(抜歯即時埋入・GBR・CTG・仮歯・最終補綴を含む):1,188,000円
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マウスピース矯正(下顎前歯部):275,000円
※症例により費用・治療内容は異なります。
治療のリスク・注意点
本治療には以下のリスクがあります。
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インプラントが骨と結合しない可能性
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GBR部位の治癒不全や感染
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歯肉退縮
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矯正治療に伴う違和感や後戻り
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定期的なメインテナンスが必要
患者様からのコメント
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前歯の治療で仕上がりがとても不安でしたが、きれいにしていただきありがとうございました。
インプラントのオペも想像していたよりもかなりラクでした。最初は不安がいっぱいでしたが、一つ一つ説明をして下さいましたので、安心してお任せする事ができました。 本当にありがとうございました。
まとめ
前歯のインプラント治療では、 口蓋裂などの骨欠損を正確に診断し、それを避けた埋入と骨造成を行うことが長期安定に直結します。
インプラント・歯周外科・矯正治療を組み合わせることで、 見た目だけでなく、機能的にも長く使える前歯を目指した治療が可能になります。