2025/01/13矯正治療とオペを併用した総合治療~20歳女性~
- 症例集
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長です。
今回はガミースマイルの手術についてご紹介いたします。
まずは劇的ビフォーアフターをご覧ください。
患者様は20歳女性。高校生の頃から通って下さっている方です。
<主訴>
・出っ歯を治したい。
・かみ合わせが悪い(特に右側の奥歯が噛んでいない)
・かみ合わせが深い、下顎前歯が見えない
・唇を閉じにくい
まずは全顎的な矯正治療の開始です。当院の矯正医がワイヤー矯正を開始しました。
上顎4番抜歯&インプラントアンカー使用しています。本ブログでは矯正に関する詳細は割愛します。
費用を抑えるために下顎の矯正治療は行っていません。
矯正して1年経過ぐらいの状態がこちら。
もともとガミースマイル傾向にある方は、出っ歯を改善させていくと、ガミースマイルが目立ってくる場合があります。
その場合は、上顎前歯部を圧下(根っこの方向、鼻の方向に歯を沈み込ませていく治療)させることがあります。
圧下させる移動量が多くなると、歯が歯肉に入り込んでいき、見えている歯が短くなることがあります。
こういう場合に用いられるのが、クラウンレングスニング(歯冠長延長術)です。
今回も矯正医からの依頼により、歯の長さを長くする手術を行いました。
まずは歯肉を切り取る量をデザインしていきます。
歯肉をデザインしているところ。このオペでもっとも重要なパートです。(これは別の時のオペの風景写真です。こんな感じでデザインしていきます。)
歯が骨に埋まり過ぎているために、歯肉が歯を覆っているという診断です(歯の萌出不全)
歯の周囲の骨をほんの少し削ります。
理想的な歯の長さから3㎜-4㎜下に骨のラインが来るように調整します。
この骨を削るときには顕微鏡が必須です。歯を削らないように、骨だけを削るので繊細な技術が求められます。
しかし、我々歯周病専門医にとっては慣れた仕事の一つです。歯周病専門医は歯と歯肉と骨の調和を整えるプロフェッショナルです
この症例では所要時間は45分程度です。手術直後の状態。出血もほとんどありません。
術後の痛みも腫れもほとんどなく、痛み止めを1回服用しただけとのことでした。
矯正治療終了時の写真。歯の長さが長くなっていることがお分かり頂けますね。
理想的な歯のプロポーションを得ることができました。
主訴である出っ歯も改善されました。
全ての治療の終了時です。
上顎前歯部に保定装置(舌側のワイヤー)をしていたのですが、やや後戻り傾向があったため、↑の写真のあとに簡単なマウスピース矯正を追加しております。
全てが終わった1年後の写真です。
主訴であった出っ歯は改善され、下顎も見えるようになり、ガミースマイルも改善し、「別人のよう」と非常に喜んで頂いております。
嬉しいアンケート結果
<今回のまとめ>
上顎前歯部を圧下させると、歯の長さ(歯冠長)が短くなることが多々あります。
このような場合は、歯周病専門医と連携して、レングスニングをすることが患者様の満足度アップに寄与します。
デメリット:手術が必要(8本のオペで所要時間60分程度)
この症例の費用:
・矯正治療約50万円(上顎のみ インプラントアンカー含む)
・8本のガミースマイルオペで20万円程度(このブログ投稿時において)