2025/01/13歯肉付き(ガム付き)クラウンとは??
- 症例集
大阪府箕面市の寺嶋歯科医院の理事長の寺嶋でございます。
今日は、歯肉付きの補綴物について二つの症例を用いて解説致します。
本記事は、一般の方の歯科知識向上を願って書いております。
①まずはクラウンバージョンです。68歳女性です。
主訴は
・古い差し歯が割れている
・茶色い歯根が露出していることが嫌
・歯茎の線が整ったら嬉しい
このような場合は、矯正治療で歯を引っ張りあげつつ、歯肉の移植を行います
しかし68歳であることと、歯根が矯正治療に耐えることができないと判断し、歯肉付きクラウンを装着することにしました。
神経がある歯だったので、土台の切削量に限界がありました。
従って、ポーセレンの厚みをあまり確保できないため、歯肉の色を合わせることに限界がある難しいケースです。
②つづいて2つ目の症例です。
43歳女性。歯周病で骨が吸収してしまい、下の前歯がぐらぐらです。
抜歯すると、真ん中の写真のように大きく陥没してしまい、このままではとても長い歯になってしまいます。
大規模骨造成&インプラントも可能ではありますが、本人の希望によりジルコニアブリッジで対応しました。
デメリットとしては土台となる歯を削る必要があることと、お手入れがやや難しいことが挙げられます。
この症例のように材料に厚みが確保できる場合は、歯肉の色に自由が効くため比較的合わせやすいのです。
以上、2つの症例を通して、ガム付き(ピンク色付き)ジルコニア、歯肉付きジルコニアを解説させて頂きました。
歯周病や外傷(交通事故)などでは大きく骨や歯肉を失うことが少なくありません。
骨移植や歯肉の移植を駆使して、失った組織を再建するのもよし、本記事のように人工物で再現するのもよし。
症例に応じて、かかりつけ医とご相談下さい。
文責:寺嶋宏曜